「留学先で犯罪や危険なことに巻き込まれたらどうしよう?」と不安に思う人は多いでしょう。
日本は世界トップクラスに治安が良い国なので、海外の治安がどのようなものなのか、あまり想像ができないですよね。
自分だけでなく、家族や大切な人から治安面で留学を心配されている人もいるのでは?
そこで今回は、元留学アドバイザーの筆者が、ニュージーランド・ウェリントン留学を考えている人に向けウェリントンの治安について解説します。
危険を避けるコツだけでなく、万が一トラブルに遭ったらどうすれば良いかも解説します。
この記事を活用して現地での安全な過ごし方を学び、ご家族などにも共有してもらえれば幸いです!

ウェリントンの治安:概要

ウェリントンを含むニュージーランドは、世界的にみて治安の良い国・地域として知られており、初めての留学という人でも安心して選べる留学先の一つです。
しかし、犯罪の発生率は日本と比べると非常に高いです。
在ニュージーランド日本国大使館の調査によれば、日本と比較し強盗の発生率は51.3倍、住居侵入・侵入窃盗は31.5倍、性犯罪は8.7倍となっています。(※統計の取り方に若干の違いはある)
いずれにしても、日本と同じ感覚で過ごすとトラブルに巻き込まれる可能性が高まるので、海外にいるということを意識して生活する必要があります。
ウェリントン留学で起こりうる犯罪
まず、ウェリントンで起こりうる主な犯罪について紹介します。

窃盗
スリ・置引き・ひったくりなどはよくある犯罪の一つ。
空港や繁華街、ナイトクラブなど、混雑している場所では多額の現金を持ち歩かず、財布は内ポケットや鞄の中に入れてお腹側に抱えるなどの対策をしましょう。
飲食店では鞄を背もたれにかけたり、鞄を置いて席を離れたスキに盗まれる可能性があるので注意です。
暴行・傷害
お酒がらみでの暴行・傷害事件が多発しています。夜間にバーやクラブに出かけたら、以下のことに注意しましょう。
- お酒を飲みすぎない
- 喧嘩や揉め事が起こっている場合は興味本位で近づかない
- 様子のおかしい人のそばに近づかない
薬物
違法薬物の蔓延も問題となっています。万が一、薬物の使用や購入を持ちかけられてもキッパリと断るようにしましょう。
また、治安の悪いエリアでは薬物の売買が行われていたり、薬物中毒者に遭遇する危険があります。立ち入ることを避けましょう。
強盗
先に紹介した通り、強盗は日本に比べると発生率が非常に高い犯罪です。
- 夜間の一人歩き
- 人通りの少ない道を歩くこと
- 危険な雰囲気のエリアに立ち入ること
は避けましょう。
性犯罪
男女ともに注意が必要な犯罪です。具体的には、以下のような被害例があるため認識しておきましょう。
- 勧められた飲み物に薬物が混入してあり、意識を失っている間に被害に遭う
- 夜間や人気のない路上で襲われる
- 部屋の見学に行った際にオーナーと2人きりになり襲われる
ウェリントン留学で注意すること
ウェリントンで問題なく安全に過ごすために、注意すべきことは何でしょうか?
ここでは、「留学前に準備できること」と「留学中に注意すること」の2つのフェーズに分けて解説します。

ウェリントン留学に行く前に準備できること
最初にウェリントン留学に行く前に準備できることの一例を紹介します。例えば以下のような準備をしましょう。
留学先に関する情報集めと保険への加入は絶対にやってください。
まず、留学先の情報集めですが、危険エリアは自分で必ず調べましょう。日本人には馴染みのない感覚ですが、海外には現地の人も用がないなら行かない危険エリアが存在することが多いのです。
もし該当する場所があれば地名や大体の位置を覚えておきましょう。(ウェリントンにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)
また、保険へ加入することも必要です。なぜこれを強調するかと言うと、もしもトラブルに遭って入院や手術をすることになったら、たいていの場合非常に高額の請求をされるからです。

オークランドの例ですが、参考までニュージーランド(オークランド)の医療費をチェックしてみてください。
家族も呼び寄せるような深刻な場合、何百万という請求になることもあります。
クレジットカード付帯の保険でも良いのではという議論もありますが、補償が充実していないことが多いというマイナス面があります。
加入する保険は補償内容や金額をプロに相談した上で決めるのがベターです。
ウェリントン留学中に注意すること
次にウェリントン留学中、危険に巻き込まれないために注意した方が良いことの例を紹介します。
注意することの例は以下の通りです。
在留届についてわからない人が多いので補足します。これは現地に3ヶ月以上滞在する場合、提出が法律で義務付けられているものです。対象者は日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出してください。

提出したら、現地大使館・総領事館に現地在住者として登録され、テロや大きな事件が発生した際に、現地大使館・総領事館から必要な救護を受けられます。
なお、3ヶ月以内の短期で滞在する場合は、「たびレジ」に登録するのがおすすめ。これも外務省が運営する海外安全情報配信サービスです。

たびレジは必ず登録しなくてはいけないものではありません。ただ、現地の安全情報がメールで届き、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられるので登録しておくと安心ですよ。
ウェリントン留学でトラブルに巻き込まれたら
誰でもトラブルに巻き込まれてしまう可能性はあるので、その場合の対応も考えておきましょう。
一般的に取るべき行動や重要な連絡先を紹介します。
警察などへの緊急連絡
一番重要なのは警察などへ緊急連絡をすること。ウェリントンの場合、電話番号は「111」なので暗記しておき、すぐに電話できるようにしましょう。

それから111は警察・消防・救急につながる共通の番号です。最初に電話が通じたら、警察・消防・救急のうちどこに繋いで欲しいのか伝えましょう。
次に、できるだけ冷静になって、以下について説明します。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語で話せない場合は「Japanese, please」と伝えれば、日本語対応ができるオペレーターに代わってもらうこともできます。
危機的状況では抵抗しない
ひったくりや強盗などに襲われている危機的状況では、抵抗しないのが鉄則です。
犯人が凶器を所持していることも多く、怪我をしたり殺される可能性があるからです。
また、パスポートの盗難・紛失をしてしまったら、以下の手順でパスポートの新規発行を行います。
- 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
- 在ニュージーランド日本国大使館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類(外部リンク)を提出する
その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。
- 保険会社(被害を受けた内容を話し、保険が適用になるか確認)
- カード会社(カードが盗まれた場合にすぐ止めてもらう)
- 所属する学校
- ホームステイなどの滞在先
ウェリントンで治安の悪いエリア
ここでは、ウェリントンで治安が悪いと言われているエリアを紹介します。なんとなくでも場所を覚えておけば、もしも訪れることになっても注意して過ごすことができるでしょう。
ニュータウン(Newtown)
ニュータウンはウェリントンの南部にあるエリアで、低所得層が多く暮らしています。
中心地からも近く、家賃が比較的安いため住んだことがあるという日本人の話を聞いたことがあります。
立ち入るだけなら問題はないエリアですが、人のいない路地裏や夜遅くに歩くことは控えた方が良いでしょう。
キューバストリート(Cuba Street)
ウェリントンの中心にあるキューバストリートは、おしゃれなカフェやショップが多い、観光スポットの一つ。
こちらも立ち入ること自体は問題のない場所ですが、人通りが多いのでスリや置引きなどには気をつけましょう。
また、夜遅くまで営業するバーやパブもあるため、酔っ払いや薬物がらみのトラブルに巻き込まれないように注意が必要です。
治安に関する参考サイト
ウェリントンの治安を調べるために、参考してほしいウェブサイトを紹介します。
リンクを載せるので、リサーチする時に使ってくださいね!
上記にまとめたのは公的機関が発信する情報ですが、治安について住んでる人が感じていることを知りたい人もいるのでは?
そんな人におすすめなのがTwitter検索。住んでいる人をフォローしておけば、リアルタイムな情報が得られます。またもっと細かくまとめられた情報を得たいならブログを探すのも良いですね。
(ただし情報の精度は公的機関のものに劣る可能性があるので、両方をバランス良く参考にするのがおすすめです。)
まとめ
今回は、ウェリントン留学を検討中の人に、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。
危険な目に遭う確率を減らすには、こうやって留学前からキチンと情報を集めることが大切です。
すでに動けているあなたは危機管理意識が高いので、あまり心配しすぎなくても大丈夫ですよ!
ウェリントン留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。