仕事とモノと娯楽に溢れた国から出てみた元システムエンジニア【海外の仕事・就職】

お話を聞いた人:
カナダ大手航空会社グランドスタッフ 江里口絢子さん

システムエンジニアからキャリアチェンジし、カナダ大手航空会社のグランドスタッフとして勤務。カナダの空港にて、搭乗手続きから案内まで多国籍な乗客の接客業務を行いながら、フリーランスとしてもシステム開発プロジェクトに携わる。

日本ではどんなお仕事を?

4年制大学を卒業後、新卒でソフトウェア開発会社にて就職し、システムエンジニアとして企業向け社内システムの開発を行っていました。大学の専攻は観光業だったんですけど(笑) そこでエンジニアとして育てていただいて、6年半ほど働いていました。当時の日本のエンジニアあるあるだと思うんですが、東京の満員電車に揺られて、終電まで働く毎日でしたね。

海外に出たきっかけは?

もともと中学生の頃から留学や海外移住という事にずっと興味はあって、学生の頃に一度オーストラリアに短期で語学留学しました。社会人になってからも海外に行きたいな、と思いつつも忙しい毎日で。28歳になった頃、ワーホリが出来る年齢が30歳までと知って慌ててカナダに行く準備をはじめました。いわゆるギリホリです(笑)

カナダに来てからは?

3ヶ月ほど語学学校に通った後、日本食レストランと留学会社で働いていました。ワーホリ後もカナダに残りたいと思っていたので、ビザが切れる1ヶ月前になって、現地でシステム開発のエンジニアを募集していた日系企業に応募したんです。そこでアドバイスをいただき、CO-OPビザを取得してひとまずカレッジに行く事にしました。そのビザは就労可能だったので、将来の永住権を目標に、学生をしながら、その企業でシステム開発系の仕事をさせていただきました。

そのままずっとカナダに?

はい。エンジニアとして採用されたその日系企業にサポートいただいて永住権を取得しました。ワーホリや留学後は日本に帰る人もいますが、私の場合はカナダに永住することを最初から考えていたんです。仕事に追われ、モノと娯楽にあふれたシティライフを27年も過ごしたので日本はもう十分かなと思って(笑)日本とは違う場所で、違う人生を歩みたいと思ったんですよね。また、ワーホリ時代に住み始めた家で出会った一生の友人達ともっと一緒に過ごしたくて。

その後なぜ航空業界へ?

実は、IT業界は自分には向いていないので違う分野にいこう!と強く決心してカナダに来たんですよ。でも結局は永住権となるとそのスキルを活かすしかなく、気づくとまたIT業界にいました。でも、大学生の頃は観光学を専攻して航空業界で働きたいと思っていたことを思い出して、今の仕事に応募しました。それまで日系企業ばかりでしたし、カナダ企業で働いてもみたかったので。

カナダと日本の企業の違いは?

カナダは良くも悪くも適当だなぁと感じます(笑)今の会社は大企業なので年功序列で日本企業のような規律的な面もありますが、基本の規則やガイドラインはあってもそれぞれ自分のやり方でやってる印象です。あと、カナダの人は自分のミスに対して甘いけれど(笑)、他人のミスに対してもおおらかです。そこが日本との違いを感じますね。

多国籍な航空業界で働いてみて?

色んな国から来た色んな価値観の人が同じルールで働いているので、発見も楽しさもあり、苛立ちや衝突もあります。日本人は真面目で、お客様にも同僚にも優しい。この価値観を持って育ってよかったなと思ったりもします。
私の仕事は労働組合が間にいる雇用制度なので就労時間がきっちり守られます。どんなに忙しくても残業なく帰ることができるのは、日本のIT業界にいた頃とは全く違う働き方だと思います。

海外へ出たい方にアドバイスを。

私は臆病なタイプなので本当は環境の変化が好きではないんです。なので、海外に来る時は1年かけて英語の勉強や情報収集をして準備してから来ました。だからなのか「勇気があるね」と言われてもそうは全く感じません。運悪いタイプ(笑)の私だって異国の地でできた人のご縁に恵まれて今があります。なので、しっかり準備して熱意があれば誰でも海外に住めます!留学も永住権取得もいろいろな道があるのでぜひ自分に合ったものを見つけてください。

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