留学を考えた時、真っ先に心配するのは「留学先の治安が良いかどうか」でしょう。
特に海外が初めてで、英語にも自信がない人は
- 留学中はどういった危険が潜んでいるのか
- 何かトラブルに巻き込まれたらどう対応すれば良いのか
などがわからなくて不安ですよね?
そこで今回は、元留学アドバイザーで自身もカナダ留学中の筆者が、カナダ・ビクトリア留学を考えている人に向けビクトリアの治安について解説します。
ビクトリアの治安:概要
ビクトリアは、カナダのブリティッシュコロンビア州の州都。世界的に見て治安が良いとされているカナダの中でも、特に治安が良い都市として知られています。
その暮らしやすさから、リタイア後にビクトリアに移り住むカナディアンも多いです。
ただし、在バンクーバー日本国総領事館が作成した「安全の手引き」によれば、ビクトリアを含むブリティッシュ・コロンビア州の犯罪発生率は日本の約13倍!
よって、日本よりは治安が良くないことを理解した上で生活する必要があります。
ビクトリア留学で起こりうる犯罪
まず、ビクトリアで起こりうる主な犯罪について紹介します。
盗難
発生率の高い犯罪は盗難です。
置引きや車上荒らしが多く、空港や図書館など人の多く集まる場所で荷物を放置したり、車の中に貴重品を置くことで狙われる確率が上がります。
薬物
ビクトリアを含むBC州では、薬物中毒者が深刻な社会問題となっていますが、中毒者に絡まれ、危険な目に遭う被害も出ています。
また日本や他国に出国する際、知らない人や出会ったばかりの人に依頼され荷物を預かった結果、違法薬物の運び屋となって逮捕されたという事例もあります。
依頼者は「日本にいる友人への土産」などと称して荷物を渡してきますが、その中身は違法薬物です。
所持しているだけでも罪に問われる可能性があるので、中身のわからないものは預からないようにしましょう。
電話詐欺
政府機関や警察、弁護士などを装った電話で、個人情報を盗んだり、指定口座に現金の振り込みを指示する犯罪もあります。
見知らぬ番号からの電話には、基本的には出ない方が無難です。
住居
シェアハウスを借りる時や居住中に、起こりうる犯罪です。具体的には以下のような被害が報告されています。
- 貸主が契約書を交わさずに前払金を求め、その後に連絡がつかなくなる
- 貸主が契約書に明記されていないルールを押し付けてくる
- 貸主に法律違反などを指摘したことで逆に脅迫を受ける
- ルームメイトに自分の持ち物を盗まれる
性犯罪
残念ながら、日本人は強く迫るとノーと言えない人が多いことで知られています。
そこを狙い、日本人にしつこく声をかけてくる犯罪者もおり、性暴力を受けたり命を狙われる事例が発生しています。
ランゲージエクスチェンジや図書館、カフェなどで親日家を装って声をかけてくることもあるため、十分に警戒することが必要です。
オーバーステイや不法就労
これは、気付かぬうちに自分が犯罪を犯す可能性のあるケースです。
以下がカナダ入管当局に知られた場合、身柄を拘束される可能性があります。
- ビザに明記された期間を超えてカナダに滞在(オーバーステイ)
- 就労可能なビザを持たずに就労する
自分の滞在できる期間やビザの種類をよく確認し法を犯さないように気をつけましょう。
ビクトリア留学で注意すること
ビクトリアで安全な留学生活を送るためには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?
ここでは、留学前に準備できることや留学中に注意することを解説します。
ビクトリア留学に行く前に準備できること
ビクトリア留学に行く前に準備できることの一例を挙げます。例えば次のような準備ができるでしょう。
この中で、現地に関する情報を集めることと保険へ加入することは特に重要です。
まず、現地の情報については、危険エリアを必ずチェックしましょう。日本とは違い、海外には現地の人でも用がなければ入らない危険エリアがあります。
そういった場所の地名や位置は調べておきましょう。(ビクトリアにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)
保険への加入も必須です。なぜなら、海外では入院や手術をすると、大抵の場合、とても高額の請求になるからです。
カナダで交通事故に遭い入院した結果、総額で約600万円かかったと言うケースもあります。
また、保険に加入していたとしても、クレジットカード付帯の保険では補償金額が不足する可能性もあります。
補償の内容や金額をよく調べた上で保険を選びましょう。
ビクトリア留学中に注意すること
次にビクトリア留学中、安全に過ごすために注意した方が良いことを解説します。
以下のことに注意すると良いです。
この中で強調したいのは在留届です。知らない人もいるのですが、在留届の提出は法律で義務付けられています。現地に3ヶ月以上滞在する場合、現地到着後に日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出します。
提出すると、現地大使館・総領事館に名前が登録され、テロや大きな事件が発生した場合に、現地大使館・総領事館から必要な救護を受けられます。
3ヶ月以内の短期で滞在する人にも類似のサービスが提供されています。外務省が運営する海外安全情報配信サービス「たびレジ」です。
たびレジの登録は必須ではありませんが、滞在国の安全に関する情報がメールで届くほか、緊急事態発生時には被害状況により、必要な支援を受けることができます。
ビクトリア留学でトラブルに巻き込まれたら
残念ながら、いくら注意していてもトラブルに巻き込まれてしまうことはあります。
そんな時、どのような行動を取れば良いのか分かっていないとパニックになりますよね?
ここでは、トラブル時に取るべき行動について説明します。
前提として、トラブルの内容により取るべき行動は異なるため、○○をすれば大丈夫という正解はありません。
ただ、覚えておいて損がないのは警察などへの連絡の方法です。ビクトリアの場合「911」へ電話をすることになります。
911は警察・消防・救急の全てに共通する電話番号です。オペレーターに繋がったら、警察なのか・救急なのかなどを告げましょう。
その後、できるだけ落ち着いて、以下について説明します。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語で話すのが難しい場合は「Japanese speaker, please」と伝え、日本語対応ができるオペレーターに代わってもらいましょう。
その他、パスポートの盗難・紛失をした場合は、以下の手順でパスポートの新規発行を行うことができます。
- 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
- 在バンクーバー日本国総領事館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類(外部リンク)を提出する
ビクトリア市内には領事館がないため、バンクーバーまで向かう必要があります。(フェリーとバス、電車などを乗り継いで約4時間ほどかかる)
なお、領事館が出張でサービスを行っている時期もあります。
その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。
- 保険会社(盗難被害、通院した場合に保険が適用となるか確認)
- カード会社(クレジットカードなどを盗まれた場合に停止してもらう必要あり)
- 所属する学校
- ホームステイ先
ビクトリアで治安の悪いエリア
治安が良いと言われるビクトリアにも、治安が悪いと言われているエリアは存在します。
総じて、昼間は大丈夫でも、夜間に立ち入ることはおすすめできないエリアがほとんどです。
地図を元にしっかり場所を確認しておきましょう。
パンドラアベニュー(Pandora Avenue)近辺
パンドラアベニュー(Pandora Avenue)近辺はホームレスが多く、薬物使用者に遭遇することもあります。
貴重品は肌身離さず持ち、夜間に歩くことは避けた方が良いエリアです。
チャイナタウン(China Town)
観光地となっているチャイナタウンは、昼間に歩く分には問題はありませんが、夜間に歩く時は注意が必要です。
このエリアも、ホームレスの保護施設があるため、ホームレスや薬物中毒者が集まりやすいからです。
現地に住む75%以上の人が、夜間のチャイナタウンについて安全だと感じていないという調査結果もあります。
ギャロッピング・グース・トレイル(Galloping Goose Trail)
ギャロッピング・グース・トレイル(Galloping Goose Trail)は、街の中心地から郊外に向かって伸びる総距離55kmの遊歩道です。
人気のトレイルなので利用者は多いですが、街灯がないので夜間は真っ暗になり、人通りも少なくなります。
歩行者と自転車が通れるトレイルのため、交通事故も多発しており、その点でも注意が必要です。
治安に関する参考サイト
ビクトリアの治安に関して、参考になるウェブサイトをいくつか紹介します。
リンクを貼っておくので、情報収集に役立ててくださいね!
上記に挙げているのは公的機関の情報なので信頼性が高いものです。
治安に関して現地生活者のリアルな声が聞きたい場合は、留学生のTwitterやブログを読むのも良いでしょう。(ただし、投稿者の主観が入った情報なので参考程度にとどめるのも大切)
まとめ
今回は、ビクトリア留学を考えている人向けに、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。
留学前からしっかりと情報収集をして、安全な留学生活を送ってくださいね!
ビクトリア留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。