初海外!初留学!
そこで誰もが気になるのは「現地の治安」。
インターネット情報や留学情報誌を見ると
日本ほど治安の良い場所はない
日本人は平和ボケしているから事件に巻き込まれやすい
などといった言葉を目にすることも多く、漠然と不安が広がっていきますよね。
そこで今回はバンクーバー留学を検討している人に向けて、バンクーバー在住・女性の筆者目線で
現地の治安についてまとめたいと思います。
なお一般的な治安情報も記載しますが、よりリアリティある話ができるよう、実際に私が準備したことや心がけていることも盛り込んでお話しようと思います。
性別を問わず参考にしてもらえるような内容にしているので、特に海外生活が初めての人は最後まで読んでもらえると嬉しいです!
参考:記事執筆者ステータス
- カナダ・バンクーバー在住9ヶ月目(最新の情報をお届けできます)
- 現役カレッジ生(Web Development学習中)
- 社会人留学(日本で10年ほど就労→退職後30代で留学開始)
- 元留学アドバイザー(留学者の不安な気持ち、よく理解してます!)
治安:概要
北米地域では比較的安全と言われるバンクーバー。
しかし、日本と比較すると決して安全とは言えません。
在バンクーバー日本国総領事館の調査によれば、BC州の犯罪発生率は統計上では日本の約13倍とみられています。(2022年時点)
発生率が高いのは置き引き、車上荒らし。
空港や駅、ホテルのロビー、レストランなどで被害が多いため、バンクーバーに到着した時から十分警戒することをおすすめします。
強盗、暴行、性犯罪、近年では銃器による凶悪犯罪なども少なくありません。
また、新型コロナウイルス感染拡大以降はアジア系住民に対するヘイトクライムも増えているため、日本人である我々が標的になる可能性もあり、注意する必要があります。
治安:在住者の体感や事例
概要では、在バンクーバー日本国総領事館の公表しているデータを元に、治安について解説しました。
でも、これから留学を検討する皆さんは
実際に暮らしている人はどう感じているの?
もう少し具体的な事例が知りたいな・・・
などと思っていらっしゃるかもしれません。
そこでこのセクションでは、
- 実際にバンクーバーに暮らしている筆者が治安について感じていることや体験
- 治安に関連した現地の友人・知人の話や最近ニュースになった事件
をまとめます。
筆者の感じていることと事例
ダウンタウンや人の多い場所では、少し怖いなと感じる時もありますが、基本的には「平和だな〜」と思って暮らしています。
事例1:薬物中毒者
では、なぜ「怖い」と感じる時もあるかというと、特にダウンタウンにはホームレスの人や薬物中毒者と思われる人が多いからです。
※ホームレスの人は基本的に危害を加えてくるわけではありませんが、薬物中毒の人も多いため、トラブル防止のため理由なく近づかない方が良いです。
2018年にカナダ国内で大麻が合法化されたこともあってか、ダウンタウン(特にGranville Street)にいると必ずと言って良いほどマリファナの匂いがします。
(マリファナの匂いは友人に教えられたためわかった)
East Hastings Streetにそういった人が多く集っているのは割と有名な話ですが、実際にはGranville駅周辺にもたくさんいて驚きました。
薬物中毒と思われる人がいた時は、歩く道を変えてできるだけ近くを通らないようにしています。
(そういう人は何か絶叫していたり、カフェの看板を蹴り飛ばしたり挙動がおかしいので遠くから見てもわかります。)
なお、郊外にいて身の危険を感じたことは今のところありません。
事例2:図書館やカフェ
これは危険なものだったのかわからない話ですが、一応紹介します。
図書館で一人で勉強をしている時、男性に声をかけられたことがあります。
まず日本人かと聞かれ、そうだと答えるとその人は隣に座ってきました。
数分当たり障りのない話をしたのですが、勉強に集中したいからと言って相手にしていなかったらしばらくして去って行きました。(本当に集中したかった)
私の事例は特に何もなく終わったのですが、中にはノーと言えない日本人女性を狙って図書館やカフェで声をかけ騙そうとする人もいて、実際に犯罪に巻き込まれている事例もあります。
私以外にも、図書館やカフェで声をかけられたという話はよく聞くので、相手が信用できる人物か見極められる自信や英語力がない場合は、
- 気を許しすぎない
- 安易に個人情報を教えない
など自衛した方が無難でしょう。
ただ、カナダには本当にフレンドリーな人も多いので、悪意なく話しかけてくれた場合もあります。
そのため、実際に声をかけられるとどう対応すべきか判断に迷うこともあると思います。
友人・知人の話やニュースになった事件
事例1:盗難被害
知人がバスで寝てしまい、ズボンのポケットに入れていた財布を盗まれました。
日本ほどではないですが、スカイトレインやバスで寝ている人はいます。
ですが、それに安心して寝てしまうのはおすすめしません。
次に説明しますが、最近スカイトレイン駅や電車内での暴行事件も増えているので、できるだけ寝ずに、周囲の状況を素早く察知できるようにしておいた方が安心です。
事例2:公共交通機関での事件
今月、友人がスカイトレイン駅構内でナイフを持った人を目撃しています。
また、3月にはGranville駅で男性が階段から突き飛ばされる事件も起こりました
Metro Vancouver Transit Policeの公表するデータによれば、新型コロナウイルス感染症拡大以降、TransLink(バンクーバー都市圏の公共交通機関の総称)での犯罪発生率は増加しているとのこと。
(2019年と比較し、2020年は対人の犯罪発生率が81%増加)
出典:https://thethunderbird.ca/2021/04/06/crime-rates-on-vancouver-public-transit-rise-in-2020/
事例3:シェアハウス関連
治安と関連しトラブルになりやすい事例の一つ。
例えば部屋探しサイト(craigslistなど)に実在しない物件(もしくは貸すつもりのない物件)の写真を載せて、デポジットを騙し取ろうとする輩がいるという話を聞いたことがあります。
また、同居人やオーナーに罵倒されたり、理不尽なルールを押し付けられたりという事例も。
留学に行く前に準備すべきこと
ここまではバンクーバーの治安の概要と実例をご紹介しました。
では、バンクーバーで安全に暮らすために何か準備できることはあるのでしょうか?
ここでは、筆者が行ったこと、元留学アドバイザーとしておすすめすることを紹介します。
情報収集
本記事の最後の方にも「参照すべき情報」としてまとめますが
さまざまな情報媒体を参照し、現地の治安、気をつけるべきことについて情報を集めましょう。
基本は公的機関が発表している情報を参考にすると良いです。
例えば、
- 日本の外務省やバンクーバーの日本国総領事館が公開している現地情報
- カナダ政府や公的機関が公開している安全情報
などです。
また、自分が通う学校や留学エージェントなどもノウハウがあるはずなので、確認すると◎。
情報の精査は必要ですが、現地在住者のYouTubeやTwitter、個人ブログなどではリアルタイムな情報が得られるので、こちらもチェックしておくと役立つかもしれません。
防犯グッズの購入
防犯ブザーやスキミング防止の財布などがおすすめです。
(カナダでは護身用にナイフ、スタンガン、催涙スプレーなどの武器を持ち歩くことはできないようなのでご注意ください。)
参考:https://www.torontodefencelawyers.com/crime-carry-pepper-spray-self-defence/#:~:text=Is%20it%20illegal%20to%20bring,not%20allowed%20into%20the%20country.
それから、カフェや図書館など不特定多数の人が集まる場所でPC作業をしたい人は、スクリーンの覗き見防止フィルムがあっても良いかもしれないです。
到着後〜3ヶ月くらいに滞在する場所を決める
たまに到着後数日〜数週間はホテルなどに滞在し、現地に到着してからシェアハウスなどを決めようとする人がいますが、おすすめしません。
理由は、近年バンクーバーではたくさんの留学生が家探しをしており、倍率が高まっているからです。
私の住んでいるシェアハウス(家賃600ドルくらい)にも1日で20人くらい内見の予定が入ったことがあります。
(そして、たいてい最初に見学した人が入居を決めてしまう)
そのため最悪の場合、家が見つからないまま一時滞在先を退去する日を迎える可能性も大いにあります。
また、急いで家を決めたい一心から詐欺の被害にあったり、治安の悪いエリアの物件を選ばざるを得なくなってしまう可能性も。
よって特に初めての留学の人は、渡航前にホームステイなどを数ヶ月間契約しておくのが無難です。
緊急連絡先をまとめる
- 現地警察、消防、救急車
- カード会社、保険会社
- ホームステイ先
などの連絡先はまとめておくと良いです(この記事の最後の方にもまとめてあります。)
私は現地生活に慣れるまでは、スマホや財布が盗まれた時に備え、緊急連絡先は手書きでメモし、スーツケースと手持ちカバンの2箇所に入れていました。
保険への加入
必須事項です。
なお、クレジットカード付帯の保険はおすすめしません。
理由は、病気や怪我等で治療・入院等が必要になった時の補償額が少ない傾向にあるからです。
日本とは異なり、海外で病気や怪我をすると想像以上の医療費がかかる場合があります。
個人的には、日本の海外旅行保険がおすすめです。
治療・救援費用の補償額が高いだけでなく、携行品に対する補償や、他人の所持品を壊してしまった時(ホームステイ先の家具を壊したとか)に補償対象となる保険もあるからです。
なお、保険に関してはこれらの記事がわかりやすかったので、あわせてご紹介しておきます:
参考まで、筆者は6ヶ月以上滞在するため、カナダの公的医療保険であるMSPに加入しています。(保険料:月75ドル)
ただし、最初の3ヶ月は待機期間で保険適用にならないため、日本の海外旅行保険に加入していました。
フライトスケジュールや空港マップの確認
治安というよりは、トラブル防止に近いものですが、乗り継ぎを使用する場合は、フライトスケジュールや利用する空港内のマップをよく確認することをおすすめします。
理由は、乗り継ぎに苦労する可能性があるからです。(特に乗り継ぎに慣れていない場合)
筆者も過去に、最初の便で大幅な遅延が発生し、次の便に乗れなくなりそうになったことがあります。
空港マップを事前に確認していたので、搭乗ゲートに向かって猛ダッシュして事なきを得ましたが、見ていなかったら完全に乗り過ごしていました。
遅延はよく起こることですし、空港は広いので、できるだけ事前にそれらの情報を仕入れておくと安心です。
現地に行ってから気をつけること
在留届の提出(3ヶ月以上滞在する場合)
日本の外務省のウェブサイトから、オンライン在留届を提出しましょう。
提出することで、現地大使館・総領事館のリストに登録されます。
そしてそのリストは、テロや大きな事件が発生した際に、現地大使館・総領事館が日本人の安否確認や救援活動のために使用します。
つまり提出を怠ると、緊急時に必要な救護を得られない可能性があるのです。
なお、この在留届の提出は、法律で義務付けられています。
対象は外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人です。
提出自体はオンラインで完結し、難しいことは何もないので、現地住所が決まったら速やかに提出することをおすすめします。
なお、3ヶ月以内の短期滞在者は、同じく外務省が運営する海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録すると安心です。
こちらの登録は任意ですが、現地安全情報に関するメルマガが受信できるほか、緊急事態発生時には被害状況に応じ、長期滞在者と同じく安否確認や必要な支援を受けられます。
周辺地域の安全確認(目視)
住居や学校など、自分の行動範囲内の地域について、治安の悪そうな通りがないかなどは確認しておくと安全です。
人通りが少ない場所、なんだか汚くて嫌な雰囲気のする場所は昼間でも通らずに、安全そうなルートを見つけておくと◎
一人歩き時は周囲の状況をよく見る
慣れるまでは、大音量で音楽を聞いたり、スマホ操作に夢中にならないようにしましょう。
特に人通りの多いところや電車内などでは、何か起こった時に事件に気づかず逃げるのが遅れる可能性があります。
貴重品の管理は厳重に
飲食店ではリュックを椅子の背もたれにかけない(盗難の危険あり)、貴重品をテーブルの上に無造作に置かないなどは基本です。
また、日本のように、カフェで鞄を席に置いて場所取りをしてから注文に行くのもやめた方がいいでしょう。
筆者は、
一人でカフェにいる時、トイレに行きたくなったらどうするの?
と思っていたのですが、隣の人に声をかけて、荷物を一時的に見てもらうのが一般的なようでした。
実際、隣の知らない人に、
”Can you watch my stuff for a second?”(少しの間、荷物を見ていてもらえませんか)
などと声をかけられたことが何回かあります。
初対面の人と会う時は警戒する
例1:友達、恋人探し
ミートアップ(オフ会)やデーティングアプリなどで初対面の人と会う場合は、できるだけ昼間の時間帯を選び、最初から警戒心を解きすぎないように注意しましょう。
万が一に備え、信頼できる友人やホストファミリーにどんな人と会い、何時頃帰ってくるか伝えておくのも良いかもしれません。
例2:家探し
特に女性の場合、シェアハウスの内見に行く場合はできる限り一人で行かない方が無難です。
男性オーナーや居住者による暴行やハラスメントを受ける可能性があるからです。
学校の友人などについて来てもらったり、Twitterなどで一緒に内見に行ける人を募集している人も多いです。
ちなみにそんなことを言いつつ筆者は一人で行きました。
ただし
- 女性がオーナーの物件
- 入居者も女性のみの物件
を選び、内見当日も本当に女性が対応してくれるか確認した後で家の中に入りました。
(事前連絡を取っていた人と当日の対応者が異なる場合もあるため)
相手の家の中に入ってしまうと逃げるのが難しいため、警戒しすぎるくらいでちょうど良いと思います。
スキミング対策
スキミングとは、専用の機械でクレジットカードやデビットカードの情報を不正に読み取り、お金を奪う犯罪です。
バンクーバーでも被害に遭ったという声をよく聞きます。
- 外にあるATMは使わない
- 暗証番号の入力が必要な時は周りに見られないようにする
- カードの使用履歴はこまめに確認する(不審な取引があったら気づけ、カードを停止できるため)
などを意識しましょう!
事件に巻き込まれたら取るべき対応
起こらないことが一番ですが、もしもなんらかの事件に巻き込まれてしまったらどうすれば良いでしょうか?
最優先は自分の身の安全の確保です。
その後、もしも落ち着いて対処ができそうな場合は、必要に応じ以下の連絡先にコンタクトを取って指示を仰いだり、相談をすると良いでしょう。
(緊急連絡先は、本記事の最後の方にまとめています。)
- 警察、消防、救急
- 領事館
- 所属する学校
- 留学エージェント
- 保険会社
- カード会社
また、必要であれば家族へ連絡することもお忘れなく。
バンクーバーの安全なエリア、居住区
細かいエリアは言及しませんが、
- Burnaby(バーナビー市)
- バンクーバー市内のゾーン1と2の境い目あたりのエリア(中心地すぎず、遠すぎず)
に住んでいる友人達が多いです。
また少数ですが、North Vancouver(ノースバンクーバー市)やおしゃれエリアとしても有名なYaletown(イエールタウン)、Kitsilano(キツラノ)に住んでいる知り合いもいます。
アジア系の住民が多いRichmond(リッチモンド市)も留学生に人気のエリアです。
あとは、内見に行き、周辺エリアの治安が良さそうか自分の目で確認するのが重要です。
例えば、
・周辺に街灯はあるか(夜帰宅しても安全そうか)
・落書きや空き家の多いエリアではないか
などは確認しておくと良いでしょう。
あとは、危険と言われているエリアは選ばないことも大切です
例えば先に挙げた
- East Hastings Street(イースト ヘイスティングストリート)
や
- China Town (チャイナタウン)
- Surrey(サレー)
なども治安は良くないと言われているので、特に初めての留学者が住む場所としてはおすすめしません。
治安:参照すべき情報
バンクーバーの治安を学び、危機管理対策を取る上で、参照しておいた方が良いサイトをいくつか紹介します。
在バンクーバー日本国総領事館
領事館は、海外における日本人の保護や援助を任務とします。
「パスポートを盗まれた!」など再発行が必要な場合は領事館に行く必要があります!
領事館ウェブサイト内で、日本の主要な保険会社やカード会社の緊急連絡先もまとめられています。
外務省 海外安全ホームページ
留学前に知っておきたい情報、トラブルに巻き込まれた場合の対処法などが網羅されています。
Transit Safety Tips
Metro Vancouver Transit Police 公式YouTubeチャンネルに
公共交通機関を使う時に心がけておくと安心な情報が公開されています。(監視カメラの場所、緊急連絡を取りたい場合の対応など)
緊急連絡先
警察、救急、消防、全て共通して緊急時(Emergency)の電話番号は911です。
このほか、緊急を要しない場合の連絡先(Non-Emergency)というのも用意されています。
- 警察(Vancouver Police Department) :604-717-3321
- 救急車 :811(24時間、毎日受付。匿名で健康相談や助言をもらえる)
- 火事(Fire): 311
まとめ
今回は、バンクーバー治安について解説しました。
情報を読んで不安が増した人もいるかもしれませんが、
事前に治安や気をつけるべきことを学び、対策をすれば必要以上に怯えることはありません。
- 羽目を外しすぎないこと
- 日本と同じ感覚で過ごさないこと
を意識していればとりあえずは大丈夫だと思います。
実際私も周りの留学生たちも、楽しく平和に過ごしている人が多いのでご安心を!
今回の情報を参考にしていただき、ぜひ安心安全な留学ライフをお過ごしくださいね。
それではまた!