留学をする時に一番の関心ごととなるのは現地の治安。
海外は日本と比べて治安が悪いところがほとんどなので、治安について事前に調べ、どうすれば安全に過ごせるか知ることはとても大事ですよね!
そこで今回は、元留学アドバイザーで自身もカナダ留学中の筆者が、カナダ・トロント留学を考えている人に向けトロントの治安について解説します。
トロントの治安:概要
トロントは、世界の中では治安が良いと言われており、初めて留学する人にもおすすめできる都市の一つです。
実際に、The Economist Intelligence Unitが公表した「Safe Cities Index 2021」では、トロントが堂々の第2位にランクインしています(東京は5位)。
ただし、殺人・強盗・性犯罪・違法薬物に関係した犯罪などは日本と比べ発生率が高く、日本と同じ感覚で生活するのは危険なのも事実です。
これからより詳しく解説していきます。
トロント留学で起こりうる犯罪
まず、トロントで起こりうる主な犯罪について紹介します。
盗難
メジャーな犯罪の一つが盗難です。特に空港やホテル、レストラン、図書館などでは、置引きの被害が多発しています。日本と同じ感覚で、荷物を置いて席を離れるのはやめましょう。
車上荒らしもよく発生するため、車内に貴重品を残しておかないことも重要です。
また、ナイトクラブなどに行く際に身分証としてパスポートを持参し、盗難に遭った事例もあります。
薬物
自分でも気づかぬうちに、違法薬物の運び屋にされてしまったという事例があります。
具体的には、知人などに「日本にいる友人に渡して欲しい」と、日本まで荷物を運ぶことを頼まれたが、中身は違法薬物だったというもの。
違法薬物の密輸は、それを知って依頼を受けたか否かに関わらず、所持しているだけで重い刑罰を課せられる可能性があります。
また、カナダでは2018年10月から大麻(マリファナ)の所持・使用が合法化されていますが、中にはマリファナ中毒の人もおり、そういった人との間でトラブルが起こる事例もあります。
住居
シェアハウスなどを借りる時や住んでいる時に、増えている犯罪です。具体的には以下のような被害があります。
- 貸主が契約書を交わさずにデポジットの支払いを求め、その後に行方をくらます
- 貸主が契約書には書かれていない利用条件を強要する
- 貸主に契約違反を指摘したら反対に脅迫を受ける
- ルームメイトから食材や所持品を盗まれる
性犯罪
性別に関わらず注意が必要な性犯罪。事例としては以下のようなものがあります。
- 深夜のタクシーで、運転手から暴行される
- バーなどで知らない人から貰った飲み物に薬物を入れられ、意識を失っている間に暴行される
- 言語の勉強などを口実に二人きりで会った際に暴行される
特に日本人は、「嫌なことがあってもはっきりノーと言えない」人が多いことでよく知られているため、最初から日本人をターゲットにしてくる犯罪者もいます。
強盗
強盗の被害も多いトロント。人通りの少ない路上、セキュリティが甘い宿泊施設、自宅に侵入されるケースなどがあります。
以下の動画では、路上で強盗に遭ったエピソードが紹介されています。
銃犯罪
銃規制のあるカナダですが、夜間や治安の悪いエリアなどでは銃犯罪も起こっています。
トロント留学で注意すること
トロントで安全な留学生活を送るためには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?
ここでは、留学前に準備できることや留学中に注意することを解説します。
トロント留学に行く前に準備できること
トロント留学に行く前に準備できることの一例を挙げます。例えば次のような準備ができるでしょう。
特に、現地に関する情報収集と保険への加入は重要です。
まず、現地の情報収集ですが、危険エリアは必ず把握しておきましょう。日本とは異なり、海外には現地の人でも立ち入らない危険エリアが存在します。
そういった場所は地名や地図をチェックしておきましょう。(トロントにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)
また、保険への加入もお忘れなく。と言うのも、海外では入院や手術をすると、多くの場合かなりの高額を請求されるからです。
カナダで交通事故に遭い入院をして、総額で約600万円かかったと言う話もあります。
仮に保険に加入していたとしても、クレジットカード付帯の保険では補償金額が足りない可能性もあります。
加入する保険は補償内容や金額をよく吟味しましょう。
トロント留学中に注意すること
次にトロント留学中、安全に過ごすために注意した方が良いことを解説します。
以下のことに注意すると良いです。
特に在留届は、提出が法律で義務付けられているものです。現地に3ヶ月以上滞在する場合、日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出することになります。
提出すると、現地大使館・総領事館に在住者として登録され、テロや大きな事件が発生した際に、現地大使館・総領事館から必要な救護を受けられます。
3ヶ月以内の短期で滞在する場合は、外務省が運営する海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録することをおすすめします。
たびレジの登録は義務付けられていませんが、現地の安全に関わる情報がメールで届くほか、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられます。
トロント留学でトラブルに巻き込まれたら
どんなに気をつけていても、トラブルに巻き込まれてしまう可能性はあります。
そんな時はどのような行動を取れば良いでしょうか?
状況によって取るべき行動は異なるため、一概には言えないのですが、一番可能性が高いのは「911」への電話です。
これは警察・消防・救急全てに共通する電話番号です。最初にオペレーターに繋がるので、どこに繋いで欲しいのかを告げましょう。
その後、できるだけ落ち着いて、以下について説明します。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語で話すのが難しい場合は「Japanese, please」と伝えれば、日本語対応ができるオペレーターに代わってもらうこともできます。
また、パスポートの盗難・紛失の際は、以下の手順でパスポートの新規発行を行います。
- 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
- 在トロント日本国総領事館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類(外部リンク)を提出する
その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。
- 保険会社(盗難被害、通院などで保険が適用になるか確認)
- カード会社(カードが盗まれた場合にすぐ止めてもらう)
- 所属する学校
- ホームステイ先
トロントで治安の悪いエリア
ここでは、トロントで治安が悪いと言われているエリアを紹介します。場所をチェックして、間違って立ち入ることがないようにしましょう。
ジェーン通り(Jane Street)とフィンチ通り(Finch Street)の交差点
トロントで最も治安が悪いと言われる、ジェーン通り(Jane Street)とフィンチ通り(Finch Street)の交差点付近。
ダウンタウンの北西にある、現地の人も近づかないエリアで、銃撃事件も起こっています。
ダウンタウンからは距離があるので間違って立ち入ることはないですが、用がない限りは近づかないようにしましょう。
シェルボーン駅(Sherbourne Station)付近
シェルボーン駅(Sherbourne Station)付近も注意が必要なエリア。特にダンダス通り(Dundas Street)との交差点あたりが危ないと言われています。
低所得者に向けたアパートが集まっているエリアで、ホームレスも多いです。
ドラッグ売買も行われており、場所によっては大麻の匂いが充満しているところもあります。
2022年4月には以下のような痛ましい銃殺事件も起こっています。
治安に関する参考サイト
トロントの治安に関して、参考になるウェブサイトをいくつか紹介します。
リンクを貼っておくので、情報収集に役立ててくださいね!
上記に挙げているのは公的機関の情報なので信頼がおけるものです。
よりリアルタイムな治安の情報を知りたい場合は、現地留学生のTwitterやブログを読んでみるのもおすすめです。(ただし、主観が混ざっているため完全に信じすぎないのも大切)
まとめ
今回は、トロント留学を考えている人向けに、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。
留学前からしっかりと情報収集をして、安全な留学生活を送ってくださいね!
トロント留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。