お話を聞いた人:少年サッカーアカデミー運営・コーチ 牧本泰山さん
プロサッカー選手として京都パープルサンガ、愛媛FCに所属。その後、長身を活かし、モデル・俳優、MCとしてキャリアを積み、語学を学ぶためセブ島へ。その後、バンクーバーへ移住し、少年サッカーアカデミーを開設。これまで250人ほどに教えている。
プロサッカーをされていたのはいつ?
高校を卒業してすぐです。京都パープルサンガと愛媛FCに所属していました。当然ですが、プロの世界なので毎日がサッカー漬けで。正直、その頃はサッカーを楽しめてなかったですね。
なので、一度サッカーから離れてみようと思って、それから大学に行きました。それまでがずっとサッカーだけの人生でしたので、大学卒業後は違う事がしたいなと思って別の道に進みました。
サッカーの後はどんなお仕事を?
大学卒業後に、音楽関係のプロダクションに就職しました。その後、エンタメ業界に興味を持ち、芸能プロダクションに所属してモデルや俳優の仕事をするようになり、ラジオ番組ももたせていただきました。
それがきっかけで、東京モーターショーなどイベントMCのお仕事が増えました。身長が高いのでステージに合ってるからだと思いますが、周りからMCに向いていると言っていただき、自分でも自身が前に出るというより、ゲストを引き立たせるMCというお仕事が好きでしたね。
海外に行くことになったきっかけは?
東京オリンピックが迫っていたのもあって、仕事でMCを本格的にやるには英語を急いで勉強しなくては!と思い、留学することにしたんです。当時は英語力がまったくのゼロだったので(笑)そこで、フィリピンのセブ島に留学しました。それでもまだ英語力が足りなくて、今度はカナダに行こうと、バンクーバーへ来ました。
カナダ渡航後は?
バンクーバーで語学学校に行きました。ある日、その学校の先生が僕の事を知ってくれて声をかけてくれたんです。別のクラスの先生だったんですが。息子さんがやっているサッカーチームでコーチを探しているので、やらないか、と。僕もちょうど現地のコミュニティに触れ合える機会を探していたので、じゃあやってみよう!とコーチをはじめました。
そこから本格的にサッカーコーチを?
はい。ブランクもあるし、教える経験もなかったんですが、声をかけていただいたそのチームを教えているうちに、今度はマンツーマンで教えて欲しいと別のところから声がかかり、高校生を教えるようになりました。そこからまた話が伝わり、人が人を連れてきてくれる形で広がって、サッカーアカデミーとして開設することにしまして、たくさんの方や子どもたちとサッカーをしています。いま、サッカーが本当に楽しいですね。
今ほどの規模になった経緯は?
バンクーバーは多人種多文化の街で、たくさんのコミュニティがあります。なので、日本人コミュニティのサッカーチームもあって、そこで教えさせていただきました。ただ、日系のコミュニティは規模は大きくありません。そこでバンクーバーでは規模が最も大きい中国系コミュニティのチームに入って、そこから人脈も広がっていきました。皆さんの支えもあり、この数年で全部で250人ほどのコーチをさせていただきました。
今後の目標は?
手伝ってくださる仲間もいるんですが、とにかくかなりの人数を教えているので、今くらいの規模が限界かなと思っています。大きな問題なのが、やはりサッカーグラウンドが不足している事です。夏は特にグラウンドが予約しにくくて練習する場所がなくなるんです。なのでいつか自分の室内練習場を持てたらいいなという夢があります。あとはサッカーだけだとやはりリスクも高いので、カフェ経営にもチャレンジしてみたいですね。
海外へ出たい方へアドバイスを。
「海外に行くなら目標を持たないと意味がない。」って言われる事もあるかと思います。確かにそれも分かるんですが、目標がなくったって「海外に行きたい!」って思えば、とりあえず行ってみたらいいと思います。行ってみたら、そこで何か目標ができるかもしれないですし。僕の場合、その時やりたいと思った事に正直に動いてきました。そしていま、最初に海外に出た目的とはまったく別の事を楽しんでいます。だから、まずは今いる場所から一歩踏み出してみる事が大事だと思います。