留学をする人なら誰もが調べたいのは現地の治安。
特にアメリカに留学したい人は銃による犯罪が心配という人も多いのでは?
そこで今回は、元留学アドバイザーで自身もカナダ留学中の筆者が、アメリカ・ニューヨーク留学を考えている人に向けニューヨークの治安について解説します。
危険を避ける方法に加え、もしもトラブルに巻き込まれたらどう対処すべきかも解説するので、記事を読んで安全に過ごすコツを学んでもらえれば幸いです!
ニューヨークの治安:概要
ニューヨークは、誰もが知る世界的な大都市。世界中からたくさんの観光客や移民、留学生などが集まりいつも多くの人で賑わっています。
アメリカの大都市圏の中では、治安が良い方と言われていますが、犯罪発生率は日本と比較にならないほど高いため、日本ではしなくても良いような入念な防犯対策が必要になります(ニューヨークの犯罪認知件数や東京との犯罪率の比較を見る)。
これからより詳しく解説していきます。
ニューヨーク留学で起こりうる犯罪
まず、ニューヨークで起こりうる主な犯罪について紹介します。
盗難
一番多い犯罪の一つである盗難。特にスリの被害は後を絶ちません。
特に人通りの多い観光地では、貴重品を肌身離さず持ちましょう。特に初めて行く場所では、地図やスマホに気を取られがちなので、常に周囲の状況を見てください。
また、置引きの被害もあるため、日本のように鞄などを置いて席取りをすることは避けてください。
強盗
強盗の被害も多いニューヨーク。人通りの少ない路地や地下鉄でも注意が必要です。
- できるだけ人通りの多い道を歩く
- 早朝や夜間はタクシーを使って移動する
- 地下鉄では後方車両には乗らず、不審な人物がいたら車両を移動する
などの対策をとりましょう。
スキミング
カード社会であるアメリカでは、カード情報を特殊な機器で読み取り、不正にお金を盗むスキミングが横行しています。
特に路上にあるATMは使わない方が良いです。カード情報を盗み取る機器が仕込まれていることがあり、素人が見ても判断がつきません。
英語の動画ですが、スキミング機器の見分け方を紹介した動画を載せておきます。
詐欺
地下鉄で起こりうる犯罪に、メトロカード詐欺というものがあります。
改札をうまく通れずに手間取っていると、「代わりにカードをタッチしてみるから貸して」などと声をかけられ、その隙に残高のないカードと自分のカードをすり替えられるという手口です。
また、タイムズスクエア周辺も詐欺が多いです。人気キャラクターの着ぐるみなどが写真撮影を求めてきて応じると、撮影料を請求されるというもの。
白タク
空港で起こり得る犯罪。出迎えガイドや空港スタッフを装ったドライバーに案内されるがままタクシーに乗って、法外な料金を請求されるというものです。
中には、旅行者が持っている手荷物のタグから氏名やツアー名を盗み見て、その名前で旅行者に声をかけてくるパターンもあります。
決められたタクシー乗り場を事前に確認し、正規のタクシー(イエロータクシー)を使うか、Uberでドライバーを予約しておくなどの対策が必要です。
ニューヨーク留学で注意すること
ニューヨークで安全な留学生活を送るためには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?
ここでは、留学前に準備できることや留学中に注意することを解説します。
ニューヨーク留学に行く前に準備できること
ニューヨーク留学に行く前に準備できることの一例を挙げます。例えば次のような準備ができるでしょう。
特に、現地に関する情報収集と保険への加入は必ず行いましょう。
まず、現地の情報収集ですが、危険エリアは必ず把握しておいた方が良いです。日本とは違い、海外には現地の人でも立ち入らない危険エリアがあるのです。
そういった場所は地名や地図をチェックしておきましょう。(ニューヨークにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)
保険については、もしも入院や手術が必要になった場合、医療費が莫大になる可能性が高いため、加入必須です。
損保ジャパンによれば、ニューヨークで虫垂炎で入院・手術をした場合、1日の入院で106万円以上かかるとのこと。
なお、仮に保険に入っていても、クレジットカード付帯の保険では補償金額が足りない可能性もあります。
補償内容や金額をよく確認した上で保険を決めましょう。
ニューヨーク留学中に注意すること
次にニューヨーク留学中、安全に過ごすために注意すべきことを解説します。
以下のことに注意すると良いです。
特に在留届は、提出が法律で義務付けられているものです。現地に3ヶ月以上滞在する場合、日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出します。
提出すると、現地大使館・総領事館に現地滞在者として登録され、テロや大きな事件が発生した際に、必要な支援を受けられます。
また、3ヶ月以内の短期で滞在者は、外務省が運営する海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録することをおすすめします。
たびレジの登録は義務付けられていませんが、現地の安全に関わる情報がメールで届くほか、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられます。
ニューヨーク留学でトラブルに巻き込まれたら
残念ながら、事前に準備をしたとしても、トラブルに巻き込まれてしまう時もあります。
そんな時にどのような行動を取れば良いのか、具体的に想像できますか?
ここではトラブル対応の方法について紹介しますね。
警察などへの緊急連絡
状況によって取るべき行動は異なりますが、事故や犯罪など深刻な問題に巻き込まれた場合は、警察などに電話します。番号は「911」です。
これは警察・消防・救急全てに共通の番号で、電話代は無料です。(救急車を呼ぶことになればお金がかかります)
オペレーターに繋がったら、自分がどの用件で電話をしたのか伝えます。
その後、できるだけ落ち着いて、以下について説明します。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語の応対が難しい場合は「Japanese, please」と言えば、日本語対応が可能なオペレーターに代わってもらえます。
ひったくりや強盗に遭遇したら抵抗はしない
不運にもひったくりや強盗に遭遇した場合、思い出して欲しいことはただ一つ。「抵抗してはいけない」ということです。物を取り返すものだめです。
なぜなら犯人が銃を持っている可能性もあり、実際に殺されてしまった事件もあるからです。
また、パスポートを盗まれたり紛失した際は、以下の手順でパスポートの新規発行をしましょう。
- 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
- 在ニューヨーク日本国総領事館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類(外部リンク)を提出する
その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。
- 保険会社(盗難被害、通院などで保険が適用できるかを確認)
- カード会社(カードが盗まれた場合に即座に使用停止にしてもらう)
- 所属する学校
- ホームステイ先など
ニューヨークで治安の悪いエリア
ここでは、ニューヨークで治安が悪いと言われているエリアを紹介します。場所を事前にチェックして、間違って入り込まないようにしましょう。
イーストハーレム(East Harlem)
マンハッタンの北東にあるエリア。「スパニッシュ・ハーレム」とも呼ばれ、ヒスパニック系の人が多く住んでいます。
低所得者層が住む地域で、犯罪発生率が高いです。
ただし近年では治安が改善されたという話や、日本人も住んでいるという話を聞きます。それでも、初めての留学で立ち入ることはあまりおすすめしません。
ブルックリン(Brooklyn)
おしゃれエリアと言われるブルックリン。エリアによっては治安が悪いので、立ち入る時は注意が必要です。
特にブルックリン中部にあるイーストフラットブッシュ、カナーシー、ブラウンズビルなどは犯罪発生率が高いため、近寄らないようにしましょう。
サウスブロンクス(South Bronx)
ヤンキースタジアムやブロンクス動物園、ボタニカルガーデンなど観光スポットが多いエリア。
実は犯罪発生率が高く、地元の人も不用意に近づかないエリアでもあります。
先に挙げた観光地は駅からすぐのため、昼間に訪れる分には問題はありませんが、警戒は怠らないようにしましょう。
クイーンズ南部(Queens)
JFK空港やジャマイカ(Jamaica)があるエリア。
JFK空港には白タクが多いので、間違って乗らないように注意しましょう。
治安に関する参考サイト
ニューヨークの治安に関して、参考になるウェブサイトをいくつか紹介します。
リンクを貼っておくので、情報収集に役立ててくださいね!
上記で紹介しているのは公的機関の情報で、信頼できるものです。
もしも治安について実際に生活している人の意見が知りたい場合は、留学生のTwitterやブログを読んでみるのも○。(ただし、古い情報や主観が含まれている可能性があるため参考程度にしましょう)
まとめ
今回は、ニューヨーク留学を考えている人向けに、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。
留学前からしっかりと情報収集をして、安全な留学生活を送ってくださいね!
ニューヨーク留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。