英会話スクール就職から、20代で海外の会社経営

お話を聞いた人:
留学コンサルティング会社マインズ経営・代表取締役 海野 芽瑠萌さん

日本で英会話スクール・塾、そしてカナダで留学エージェント・語学学校と、長年、英語教育の仕事に携わる。移民コンサルタントのカナダ国家資格を取得し、10年以上の経験で得た深い情報とビザ知識で留学プランニングを行う。

海外に出たきっかけは?

大学卒業後、大手の英会話スクールに就職することが決まっていたんですが、働く前に一度は留学してみようとカナダのBC州にあるヴァーノンという小さな街へ短期留学して、語学学校のビジネスクラスに通いました。

その留学が本当に楽しくて帰りたくなかったんですが、さすがに新卒の就職を蹴るわけにも行かず泣く泣く帰国して働きました(笑)

その職場で仲良くなったカナダ人女性の友人が、できて、またカナダに行きたいという気持ちも大きくなりました。その後、地元のトロントに帰ったその友人のすすめもあり、仕事を探すのにも大きな都市がいいだろうと、トロントに来ました。

二度目はワーホリで?

そうです。ちょうど働いていた英会話スクールが経営難になり、会社に残る理由もなくなったので保険会社の営業職に転職して、お金をためてワーホリで渡航しました。

トロントに来てからは、現地の留学エージェントのスタッフ募集をみつけて、全く未経験ながら応募してみたんです。そしたら、いきなりの即日採用・翌日勤務になりました(笑)

日本語ができる人がすぐにでも欲しかったのと、オーナーさんが私が日本で働いていた英会話スクールの事を知ってくれていたのもあって。「似たような仕事だから、すぐできるでしょ」って(笑)

そこから留学業界に?

はじめから目指していたわけではないんですけれどね。もともとワーホリで来て仕事探しをする際に、オフィスでの仕事を狙っていたんです。英会話スクールで働いていたこともあって、当時から、日常会話はできていたし、TOEICの点数もあるしで、無駄に自信があったんですよ(笑)そこで留学エージェントの仕事に応募しました。

その仕事がきっかけで人脈も広がり、その後も、わらしべ長者的に仕事を紹介してもらうことになりました。ワーホリの後も縁があってまたカナダに戻ってきた際には、その留学エージェントのオーナーさんの紹介で語学学校に就職することができました。

そこから新たな会社立ち上げへ?

語学学校に勤めていた時に、提携先である現地の留学エージェントのマネージャーさんに声をかけていただいたんです。「独立して日本に帰るから、カナダオフィスをやらないか」と誘われて。その方が独立して作った会社のカナダ法人立ち上げと経営に加わる事になりました。

今思えばよくやったなぁと思うんですが、まだ28歳で、3つのオフィスの経営とスタッフ管理をいきなり全部任されて本当に大変でした。途中でオーナー権限を得て、10年近くその会社の経営に携わって会社を大きくしてきました。

会社の経営者、留学コンサルタントとして、教育や政府関連のカンファレンスやイベントに参加。

そこから独立を?

はい。やはり留学は人生にとって大きなチャンスでもあるし、一人ひとり、考えることも違えば、留学を通して達成したいゴールも異なります。

留学やカナダという国を通して、それぞれの人達が、人生をどうデザインしていくのか、一緒にプランニングできるプロでありたいと思っています。そいういう自分らしいサービスを提供するために、新しく今の会社を作りました。

以前と違って完全に自分の会社ではありますが、今はスタッフと一緒になって、一つ一つ達成していく事にやりがいを感じます。昔だったら一人で背負ってがむしゃらに頑張っていたところがありますが、今は皆でそれぞれの力を発揮して、一人じゃできない事が出来ているなと思います。

海外の就活で大事なことは?

流されないこと・自分でしっかり考えること・知識をつけることですね。

私の場合、これまでどの仕事も、本当に大きな勉強になったし、心の底からやってよかったとは思ってはいますが、正直、言われるがままに仕事やポジションを請け負った結果、しなくてもいい苦労をしたなと思う事もあります。日本人的な根性精神を発揮して、ただ頑張るだけだと、自己犠牲につながってしまいますから、それはしない方が良いです。

キャリアを築く上で、頑張らなければけない場面はもちろん沢山ありますが、自分はどうしたいかをクリアにしておくのがおすすめです。

大学やカレッジなどの学校へ直接訪問して、学校担当者との交流を図り情報収集をする海野さん。

英語の勉強で必要な事は?

まずは日本語での読み書きがちゃんとできる事ですね。私の仕事の場合、英語と日本語の両方を使うので、特にそれを感じます。

結局、日本語で知らないことや、構築できない考え、言葉や説明を、急に英語だけできるようになることはありません。少々アクセントや文法に間違いがあっても、話している内容が的を得ていれば、相手には伝わります。

「英語がペラペラになりたい!」という人は多いですが、20歳を超えてある程度の大人になってからの勉強の場合は、英語の前に、どんな内容を伝えたいのか日本語でもちゃんと伝わるように説明できるのかを考えてみるといいですよ。

これから海外で働いてみたい方へ。

私の場合は20代の時に、本当にいろんな仕事をしました。

居酒屋さんでアルバイトしたり、英会話スクールや保険の営業、塾講師として働くなど、キャリアの一貫性はないんです。大学でも法学部でしたし。でも、それらのすべての経験が今の海外生活や、会社の経営に活きています。

法律学のマインドはビザの仕事に不可欠ですし、留学生の方々を支えるのにも、英語や教育の知識はもちろん、飲食アルバイト経験さえも役立っています。

だから、頭で考えすぎて動けなくなるより、今できることは、何でもやってみるといいと思います。無駄な経験は一つもありませんから。

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