留学に行きたいのになんとなくためらっている人に共通するのは「現地の治安」について不安を抱えていること。
なぜなら、日本は世界で最も安全な国の一つで、その外に出たらどんな危険が待っているのか想像できない人が多いからです。
でも、初めて海外留学に行こうとしているのなら不安になるのは当然ですよ。
そこで今回は、元留学アドバイザーの筆者が、イギリス留学を考えている人に向けイギリスの治安について解説します。
この記事を読めば、イギリスの治安に対するイメージがクリアになるだけでなく、安全に過ごすコツも学べますよ!ぜひ最後まで読んでくださいね。
イギリスの治安:概要
イギリスは、治安が比較的良いと言うイメージを持っている人が多いですが、日本に比べると犯罪の発生数はずっと多いです。
例えば、外務省の海外安全ホームページによれば、2021年におけるイングランド・ウェールズの犯罪総数はおよそ600万件で、この数値は日本の刑法犯総数の10.6倍にものぼります。
つまり、日本と同じような感覚で過ごしていると、思わぬ事件や事故に巻き込まれる可能性があるので、注意しなくてはいけません。
イギリス留学で起こりうる犯罪
まず、イギリスで起こりうる主な犯罪について紹介します。
窃盗
最もポピュラーな犯罪の一つが窃盗です。特にロンドンや有名観光地などでは、ひったくりや置引き、スリなどに注意が必要です。
ホテルでも、セキュリティが甘いところなどでは部屋に侵入される事案も発生しているので、外出する際は、貴重品を金庫やスーツケースの中にしまって施錠しましょう。
強盗
イギリスでは、路上強盗の被害も多いです。人気のない道や、夜間に一人で歩くことはできるだけ避けましょう。
イヤフォンをつけて歩いたり、スマートフォンの操作に夢中になっているとスキが生まれ、ターゲットにされやすいので、周囲の様子をよく見て歩くことを心がけましょう。
詐欺
特にロンドンなどの都市部では、偽警官による詐欺が行われています。
警察を装った人物が財布やパスポート、クレジットカードの暗証番号などの提示を求めてくることがありますが、絶対に応じないようにしてください。(共犯者が通行人役で現れ、あえて偽警官の指示に従うことで、本物と信じ込ませようとしてくることもあります)
本当の警察官か自信が持てない時は、最寄りの警察署や警察に電話をして助けを求めるようにしましょう。(※警察官がクレジットカードの提示や暗証番号を聞いてくることはありません)
性犯罪
性犯罪にも注意が必要です。以下のことを意識してください。
- 帰りが遅くなる時はタクシーや迎えを頼む
- 人通りの少ない道を一人で歩かない
- 面識のない人からもらった飲み物や食べ物は口にしない(薬が混入されている場合があるため)
- シェアハウスなどの見学には一人で行かない
テロ
2017年以降、ロンドンやマンチェスターなどで、多数の死傷者が出るテロ事件が複数起こっています。
残念ながら、テロ発生を事前に予測をすることはかなり難しいです。外務省が公表している英国テロ・誘拐情勢で詳細を確認し、テロはどこでも起こりうることを認識しておきましょう。
イギリス留学で注意すること
イギリスで安全に留学をするためには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?
「留学前に準備できること」と「留学中に注意すること」の2段階に分けて解説します。
イギリス留学に行く前に準備できること
まず、イギリス留学に行く前に準備できることを紹介します。以下がその一例です。
特に、現地の治安を調べることと保険への加入は必須です。
まず、危険エリアについては絶対に調べておきましょう。海外には地元民でも近寄らない危険エリアが存在します。
そういった場所が留学先にあれば、おおよその場所を覚えておきましょう。
また、保険への加入も必要ですよ。最大の理由は、海外の医療費がとても高く、自己負担するのが困難なこともあるからです。
特に入院や手術、日本の家族を呼び寄せるような事態になると、数百万〜数千万という請求になることも。
それから、盗難被害に遭った時や、飛行機が遅れた時にも保険が適用になる場合があります。
様々なリスクに備えるために、保険はなくてはならないものなのです。
イギリス留学中に注意すること
次にイギリス留学中に注意することを確認していきましょう。具体的には以下のような注意点があります。
特に強調したいのは在留届の提出です。(提出は法律で義務付けられていので注意)
対象者は現地に3ヶ月以上滞在する人で、日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出することになります。
提出後、現地大使館・総領事館にあなたの情報が渡り、テロや大きな事件が発生した際に、必要な救護を受けられるようになります。
なお、在留届の対象でない3ヶ月以内の短期滞在者は、外務省が運営する「たびレジ」に登録することをおすすめします。
たびレジの登録は義務付けられていません。
しかし、現地の安全関連の情報がメールで届くので、登録しておくと便利です。緊急事態発生時には被害状況に応じて、必要な支援も受けられるので安心ですよ。
イギリス留学でトラブルに巻き込まれたら
次は、トラブルに巻き込まれた時の対応について考えていきます。
もしもトラブルに遭ったらどうすれば良いか、あなたは想像できますか?
警察などへ通報する
もちろん、内容によって何をすべきかは異なりますが、覚えていてほしいのは警察などに通報すること。そのためには、あらかじめ緊急連絡先を知っておかなくてはいけません。
イギリスで通報する場合は、警察・消防・救急いずれであっても999番に電話します。
電話が通じたら、なんのための通報なのかを告げましょう。
その後は、できるだけ落ち着いて、以下のことを伝えます。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語で話すのはハードルが高いという場合は「Japanese, please」と伝えれば、日本語対応ができるオペレーターに代わってもらうこともできます。
緊急性が低い場合は、最寄りの大使館・領事館に連絡し、対応方法について助言をもらうこともできます。
イギリスの大使館・領事館の場所や連絡先は以下の通りです。
大使館・領事館名 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|
在英国日本国大使館 | 101-104, Piccadilly, London, W1J 7JT, U.K. | (44-20)7465-6500 |
在エディンバラ日本国総領事館 | 2 Melville Crescent, Edinburgh EH3 7HW, U.K. | (44-131)225-4777 |
ひったくりや強盗に対し抵抗しない
ひったくりや強盗の被害に遭った時に、気をつけて欲しいのは「抵抗しない」こと。ひったくりを追いかけるのも危険です。
犯人が銃などを持っていたら、最悪の場合殺されてしまいます。
また、パスポートを盗まれた場合は、パスポートを新たに取得する必要があります。以下の手順で取得ができるので、覚えておきましょう。
- 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
- 最寄りの大使館または領事館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類を提出する
他には、状況に応じて以下にも連絡をしておくと良いです。
- 保険会社(盗難被害や通院・手術などで保険が適用になるか確認)
- カード会社(カードが盗まれた場合、即座に使われることがあるので、利用停止にしてもらう)
- 所属する学校
- ホストファミリーや学生寮
イギリス主要都市の治安
ここでは、イギリスで留学先としても人気が高い、主要都市の治安を解説します。治安が悪いエリアについても紹介するので、覚えておきましょう。
ロンドンの治安
ロンドンの治安は以下の記事に詳しくまとめています。
ケンブリッジの治安
ケンブリッジの治安は以下の記事に詳しくまとめています。
オックスフォードの治安
オックスフォードの治安は以下の記事に詳しくまとめています。
ブライトンの治安
ブライトンの治安は以下の記事に詳しくまとめています。
治安に関する参考サイト
イギリスの治安を調べるため、この記事以外に参考してほしいウェブサイトは以下の通りです。
上記のサイトは外務省が管理しているもので、有益な情報がまとめられていますが、文章が難しくて読みにくいと感じる人もいるかもしれません。
そんな人にはTwitterやInstagramで留学生や在住者をフォローすることをおすすめします。
現地にいる人にしかわからないリアルな声が聞けますよ。
まとめ
今回は、イギリス留学を検討中の人に、治安の概要や気をつけるべきこと、主要都市の治安などを解説しました。
この記事を一通り読んで、準備を進めておけば、危険な目に遭う確率を減らせるでしょう。
どうか安全な留学生活を送ってくださいね。
イギリス留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。