【マニラ留学】現地の治安はどんな感じ?注意することや治安の悪いエリアも解説!

留学をする時に一番不安なのは間違いなく現地の治安でしょう。

特にフィリピンは発展途上国。費用を抑えて英語が学べる人気の留学地ですが、治安の面で留学に踏み切れない人も多いのでは?

そこで今回は、元留学アドバイザーで自身もカナダ留学中の筆者が、フィリピン・マニラ留学を考えている人に向けマニラの治安について解説します。

トラブルを避ける方法だけでなく、もしもトラブルに巻き込まれたらどうすべきかも解説します。記事を読んで安全に過ごすコツを学んでもらえれば幸いです!

筆者顔写真

筆者情報
  • 元留学アドバイザー
  • 4年でのべ1,000人近くを海外へ送り出した実績あり
  • 複数国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、アジア圏など)の留学プログラムを担当
  • カナダ・バンクーバー在住

マニラの治安:概要

マニラ
gloverbh222によるPixabayからの画像

マニラはフィリピンの首都。在フィリピン日本国大使館によれば、マニラを含むフィリピンの犯罪発生率は減少傾向にありますが、日本と比べれば非常に犯罪発生率が高いです。

例えば2021年のデータによると、強盗は日本の約4倍、殺人は約6倍、性的暴行も約6倍起こっています。

一方で、

  • マカティ
  • ボニフォシア・グローバルシティ(BGC)

などのように、駐在人や外国人が集まる治安の良い地域もあります。

マニラ留学で起こりうる犯罪

まず、マニラで起こりうる主な犯罪について紹介します。

強盗を模したおもちゃ
Andrew MartinによるPixabayからの画像

盗難

盗難は最も被害報告が多い犯罪の一つ。

知らないうちにリュックを開けられ財布などを取られたり、ストリートチルドレンなどに囲まれて困惑している間に財布などを盗まれる「集団スリ」も横行しています。

スマートフォンも目をつけられやすいアイテムなので、治安の悪そうなエリアや人通りの多いエリアでは、安易にスマートフォンを取り出さない方が良いです。

また、置引き被害も多く、誰かに話しかけられて気を取られている間にカバンなどを盗まれるケースもあります。

ぼったくりタクシー

相場よりも高い値段を請求してくるタクシー(ぼったくりタクシー)が多いです。

タクシーの初乗り料金の相場は、40ペソくらい(2022年10月時点で約100円)。

ですがぼったくりタクシーの場合、タクシーメーターがなかったり、故意に遠回りをして相場より高い金額を請求してきます。

特に空港にはそういったタクシーも多いので、以下の対応を取りましょう。

  • 空港専用のイエロータクシーを利用する
  • アプリ(Grabが主流)を使ってタクシーを呼ぶ

強盗

以下のような被害が報告されています。

  • 人気のない路上などで強盗に襲われるパターン
  • 睡眠薬で眠らされている間に所持品を盗まれるパターン(睡眠薬強盗)
  • 流しのタクシー(=事前予約をしていない、路上を走っているタクシー)に乗ったら強盗被害に遭ったパターン

特に日本人が睡眠薬強盗に狙われる事件は後を絶ちません。

手口としては、以下のようなものがあります。事前に把握し、知らない人に気軽について行かないように注意してください。

2)手口、被害例

ア ショッピング・モールや繁華街等の路上を散策中、見知らぬ人物から、「道を教えて欲しい」、「日本人? 日本にいる親類のことで相談があるんだけど」、「私たちも旅行者なんだけど、一緒に○○に行かない?」、などと声をかけられます。

イ これに応ずると、「実はそこで友達が待っている。」、「一緒にご飯を食べよう。」などと言われ、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の被害例は実に様々ですが、次のような例が挙げられます。

(ア)徒歩で飲食店に移動し、提供された飲食物を口にして意識を失った。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットの財布と携帯電話がなくなっていた。ホテルの場所は伝えてあったが、ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかはわからないと言われた。

(イ)タクシーに乗ったが、どこにいるかわからなくなり、また友達と称する女性が2人便乗してきて、自分を取り囲んだ。その車内で渡されたスナックとジュースを口にしたあとの記憶がない。気づくと路上で寝ており、旅券や財布等が入ったバッグがなくなっていた。

引用:(領事班からのお知らせ)【安全対策情報】マニラ首都圏及び近郊地域における邦人犯罪被害の傾向(注意喚起)

詐欺

寸借詐欺というものもあります。これは、「財布などを盗まれ、お金がなくて家に帰れない」などと嘘をつき、お金を騙し取る犯罪です。

実際に盗難も多い都市なので、嘘かどうか見分けるのは難しいのですが、外国人はターゲットにされやすいので少しでも怪しいと思ったらお金をあげないようにしましょう。

マニラ留学で注意すること

マニラで安全な留学生活を送るためには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?

ここでは、留学前に準備できることや留学中に注意することを解説します。

チェックリスト
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

マニラ留学に行く前に準備できること

マニラ留学に行く前に準備できることの一例を挙げます。例えば次のような準備ができるでしょう。

留学前に準備できること
  • 現地に関する情報収集(治安、危険エリアの把握)
  • 防犯グッズの購入(防犯ブザーやセキュリティベルトなど※参考:モンベルのセキュリティーベルト
  • 緊急連絡先をまとめる(警察、消防、救急、現地大使館、カード会社の番号など)
  • 海外旅行保険への加入(必須)

この中で特に重要なのは、現地に関する情報収集保険への加入です。

まず、現地の情報収集ですが、危険エリアの把握は必須です。日本とは違い、海外には現地の人でも立ち入らない危険エリアがあり、最悪の場合命を狙われることもあります。

そういった場所は地名や地図をチェックしておきましょう。(マニラにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)

また、保険への加入も済ませましょう。なぜかと言うと、海外では入院や手術をすると、多くの場合請求額が高額になるからです。

聴診器
Darko StojanovicによるPixabayからの画像

※参考までに価格.com(保険版)で紹介されている、マニラの医療費情報をシェアします。

また、保険に入っていても、クレジットカード付帯の保険では補償金額が足りないこともあります。

加入する保険は補償内容や金額が十分かよく確認しましょう。

マニラ留学中に注意すること

次にマニラ留学中、安全に過ごすために注意した方が良いことを解説します。

以下のことに注意すると良いです。

マニラ留学中に注意すること
  • 在留届の提出を忘れない(3ヶ月以上滞在する場合)
  • 高価そうな服・アクセサリーを身につけない
  • 多額の現金を持ち歩かない・人通りの多い場所で財布の中身を見ない
  • 夜間に出歩かない・出歩くならタクシーを使う
  • 公共の場では鞄を置いたまま席を離れない(カフェや図書館など)
  • 初対面の人と会う時は警戒する(日本人を狙い、日本語で声をかけてくることもある)

特に在留届は重要で、提出が法律で義務付けられています。現地に3ヶ月以上滞在する場合が対象で、日本の外務省のウェブサイトからオンライン提出をする必要があります。

オンライン在留届
引用:外務省 オンライン在留届

提出後は、現地大使館・総領事館に氏名などが登録され、テロや大きな事件が発生した際に、現地大使館・総領事館から必要な救護を受けられます。

3ヶ月以内の短期で滞在する場合にも利用できるサービスとしては、「たびレジ」があります。これも外務省が運営する海外安全情報配信サービスです。

たびレジ
引用:たびレジ

たびレジの登録は義務ではありませんが、現地の安全に関わる情報がメールで届くほか、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられます。

マニラ留学でトラブルに巻き込まれたら

どんなに警戒しても、事故や事件に巻き込まれることはあります。

その場合、どのような行動を取るべきでしょうか?

緊急連絡先に電話する

当然ながらトラブルの内容により取るべき行動は異なりますが、重要なのは警察や救急などの緊急連絡先の番号や電話方法をあらかじめ把握しておき、電話をかけることです。

スマートフォン
Photo by Vojtech Bruzek on Unsplash

マニラにおける警察・救急車・消防の番号は共通しており、911です。

最初に電話したいのが警察なのか、救急なのかなどを伝え、できるだけ落ち着いて、以下について説明します。

  • 何が起こったか
  • どこで起こったか
  • 自分の氏名、住所、電話番号

ひったくりや強盗に遭ったら抵抗はNG

ひったくりや強盗に遭った場合は、抵抗したり、物を取り返そうとしてはいけません

犯人が銃を持っている可能性もあり、最悪の場合殺されます。

犯人が去ってから、警察へ被害について連絡し、クレジットカード会社などにも連絡してカードを止めてもらいましょう。

また、パスポートの盗難・紛失の際は、以下の手順でパスポートの新規発行を行います。

  1. 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
  2. 在フィリピン日本国大使館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類(外部リンク)を提出する

その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。

  • 保険会社(盗難被害、通院などで保険が適用になるか確認)
  • 所属する学校
  • 滞在先

マニラで治安の悪いエリア

ここでは、マニラで治安が悪いと言われているエリアを紹介します。観光地であったり、観光地の近くに位置しているエリアもあるので、あらかじめ場所をチェックしておきましょう。

マラテ&エルミタ地区

マラテは海沿いのエリアで人気の観光スポットですが、ひったくりやスリの多い地域でもあります。

ストリートチルドレンや物乞いをする人が多く、一人での行動や夜間に歩くことはおすすめできません。

エルミタはマラテの近くにある繁華街。売春婦に声をかけられることもありますが、無視しましょう。

トンド地区(スモーキーマウンテン周辺)

マニラ市の北にある、東洋一のスラム街と言われているこのエリア。

貧困層が暮らしており、多数のストリートチルドレンもいます。遊び半分で近づくのはやめましょう。

エドサ通り(Epifanio de los Santos Avenue)

マニラでも有名な大通りで、主要な観光エリアの近くに位置しているため、立ち寄る可能性があるエリア。

お店やホテルが多く、安全そうにも見えますがスリや強盗の被害もあるエリアなので、特に夜間はタクシーなどで移動しましょう。

ケソン・レクト駅周辺

高級住宅街があるケソンの中で、治安が悪いと言われているエリア。

人通りが多く、スリの被害が多いため警戒して歩く必要があります。

治安に関する参考サイト

マニラの治安に関して、参考になるウェブサイトをいくつか紹介します。

リンクを貼っておくので、情報収集に役立ててくださいね!

上記で紹介しているのは公的機関が発信元なので信頼がおけます。

しかし、より生活している人のリアルな声を聞いてみたい人もいるでしょう。

その場合、現地留学生のTwitterやブログを読んでみるのがおすすめです。(ただし、主観が混ざっていたり、古い情報もあるため参考程度に留めましょう)

まとめ

今回は、マニラ留学を考えている人向けに、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。

留学前からしっかりと情報収集をして、安全な留学生活を送ってくださいね!

マニラ留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。

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