就職活動は、大学生が経験する人生最初の一大イベント。
就職先や将来のキャリアパスを考えている過程で、「新卒で海外就職はできるのか?」と疑問を持つ人もいるようです。
そこで今回の記事では、以下のことをまとめます。
- 新卒で海外就職できるかどうか
- 新卒で海外就職する具体的な方法
- 海外就職をするために、大学在学中にできる準備
海外就職を視野に入れている大学生以下の皆さんは、ぜひご覧ください。
新卒で海外就職はできる?
最初に結論を言うと、新卒で海外就職はできます。
主な就職方法は次の通りです。
- 海外大学を卒業後に就職する
- ワーキングホリデーに行く
- Co-op留学や専門留学をする
- 海外駐在員になる
- 青年海外協力隊になる
それぞれの詳しい方法については、「新卒で海外就職する方法」にて解説します。
そもそも海外に「新卒」という概念はない
そもそもの話ですが、海外に「新卒」という概念は根付いていません。
日本では大学在学中に就職活動が始まり、内定も出ます。
採用枠も、「新卒枠」ということで一般の採用枠と求人サイトや採用プロセスが分かれています。
そうして入社した新社会人は、入社後の社内研修などを通して「徐々に」仕事を覚えていくことが期待されています。
一方で、日本以外の国ではそういった制度がありません。
例えば、アメリカでは大学を卒業してから就職活動を始めるのが一般的です(インターンや人脈作りは在学中に行うこともあります)。
また、企業側は、入社後すぐに成果を出せるような「即戦力」を求めます。
そのため、学歴やインターンシップ・就労経験などの「能力・実績」が重要視されるのです。
実力を認めてもらえれば新卒でも海外就職は叶う
そういった事実を踏まえると、自分の実力を認めてもらえさえすれば、新卒でも海外就職が叶うということになります。
どうやって実力があると認めてもらうのか、やり方は色々とありますが、例えば以下のような方法があるでしょう。
- 目指したい業界でボランティアやインターンとして働く
- 有名大学に行き優秀な成績を納める
- 在学中に起業する
- 作品やアプリなどを作る(クリエイティブ・IT職の場合)
新卒で海外就職する方法
それでは、新卒で海外就職する具体的な方法をいくつか紹介します。
なお、どの方法であったとしても、英語力(語学力)がある方が有利・実現可能性が高まるので、在学中に語学の勉強を頑張りましょう。
海外大学を卒業後に就職する
まずは、海外大学を卒業後に就職する方法です。
海外大学を卒業すると、卒業ビザといわれる、数年間就労可能なビザが取得できる国もあるので、卒業後に落ち着いて就職活動をすることができます。
なお、日本とは異なり、「学んだことと就職する分野・業界が合致していること」が求められる傾向にあります。
よって、大学を選ぶ前に、将来就きたい仕事をある程度明確にしておきましょう。
ワーキングホリデーに行く
次に紹介するのは、大学卒業後にワーキングホリデーに行く方法です。
ワーキングホリデーとは、海外で基本的に1年間就労・就学・観光などができる制度で、18歳以上〜30歳以下であればビザの申請・取得が可能です(滞在可能期間、申請・取得可能な年齢は国により異なる場合があります)。
2023年4月現在、29カ国がワーキングホリデー制度に加盟しています。
取得に当たって厳しい条件はないので、新卒の人でも挑戦しやすいのが特徴です。
ワーキングホリデー終了後に、学生ビザや就労ビザなどを取得してさらに長く就労をすることも可能です。
Co-op留学や専門留学をする
次に紹介するのは、Co-op留学や専門留学をしてから、現地就職を目指す方法です。
Co-op留学とは、カナダ独自の制度で、カレッジ在学中に関連する分野の企業でインターンシップ(就労体験)ができるプログラムのことです。
先ほど言った通り、海外は実力社会なので就労経験が求められます。
そこで、Co-opでのインターンシップ経験が生きてくるのです。
インターン期間中にしっかりと実績を出せば、その企業でそのまま雇ってもらうことも不可能ではありません(インターン生しか必要としていない場合もあるので、事前に確認は必要)。
カナダ以外でも、現地の専門学校・カレッジなどに通い、就職に活かせるような専門知識を身につけてから、就職活動をする方法があります(例:オーストラリアのTAFE留学など)。
就職する分野は、現地で需要が高いものを選ぶと、卒業後の就職活動が有利になるでしょう。
海外駐在員になる
次は、海外駐在員になる方法です。
大学在学中に業界研究やOB/OG訪問などを通して、「新卒でも海外駐在が可能な会社」を探しておきましょう。
一般的には、総合商社、メーカー、海運などの業界に、海外駐在のチャンスがあります。
海外駐在ができる企業については、以下の記事も参考にしてください。
青年海外協力隊(JICA海外協力隊)に参加する
最後は、青年海外協力隊(JICA海外協力隊)に参加する方法です。
青年海外協力隊(JICA海外協力隊)とは、政府開発援助の一環として、海外の開発途上国にボランティアに行く制度です。
20歳〜69歳まで応募が可能なので、大学を卒業してすぐに働くこともできます。
派遣期間は原則2年間ですが、1ヶ月から参加できる制度もあります。
新卒で海外就職をするために、在学中にできる準備とは?
新卒で海外就職できる方法がわかったからといって、誰でも簡単に就職ができるわけではありません。
大切なのは、大学在学中の行動です。
ここでは、在学中にどんな準備ができるのかチェックしていきましょう。
英語力をUPさせる
まず必須となるのは、英語力をUPさせることです。
例えば、海外大学に入るとしたら最低でもIELTS6.5以上の英語力が必要です(TOEICは語学力を証明するスコアとして認定されない場合がほとんど)。
海外駐在員を目指すとしても、常に人気のポジションであるため、競争率は高いでしょう。
そもそも入社するためにも、高い語学スコアや英会話力を求められることを覚悟しておきましょう。
日本人はスピーキングが苦手な人が多いので、在学中に日本で海外の友人を作ったり、オンライン英会話などを通して会話力を鍛えておくことをおすすめします。
英語以外のスキルを身につける
次にできることは、英語以外のスキルを身につけることです。
例えば、プログラミングやマーケティングなど、海外でも重宝されるビジネススキルを学んでおくことは有効です。
そういった業界でのインターン・ボランティア・アルバイトなどの経験を積んでおくとなおよいでしょう。
大学の留学制度を使う
日本の大学の留学制度もぜひ活用したいことの一つです。
なぜなら、個人で行く留学とは異なり、申請や財政面(奨学金)でのサポートを受けられるからです。きちんと制度を活用すれば、留年する心配もありません。
実際、夏休みや春休みなどの長期休暇を活用して、語学留学をしたり、海外インターンシップやボランティアをする人もいます。
また、交換留学制度を使って、留学先で専攻分野を「英語で」学ぶことも可能です。
在学中の留学経験は、将来的な海外就職に間違いなく役立ちます。
ぜひ、通っている(またはこれから通う)大学のプログラムを確認してみてください。
新卒でも海外就職はできるので、在学中から時間をかけて準備を始めよう
今回は、新卒で海外就職ができるかどうか、そしてその方法について解説しました。
結論としては、新卒でも海外就職は十分に可能です。
ただし、スムーズに就職をするためには、在学中からの準備が重要になります。
海外就職がしたい・興味があると思ったその日から、しっかりと時間をかけて準備をしましょう。