先日「日本人が海外で働くには?5つの方法を紹介!」という記事を公開し、海外就職を目指す人に向けて、海外で働く方法を5つ紹介しました。
今回はその中から「フリーランスとして海外で働く」方法をピックアップします。
フリーランスは、スキルさえあれば場所を選ばず働ける、近年注目を集めている働き方です。
その働き方に憧れる人がいる反面、「海外で働く」となると、
- お金・税金の管理や手続きが大変そう
- 本当に仕事を得て生活していけるのか不安
- どのビザを取得すればいいのかわからない
といった理由で一歩踏み出せないという人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、実際にカナダでフリーランスWebライターとして活動している筆者が、どういった手順を踏めば海外でフリーランスとして活躍できるかを解説します。
興味がある人はぜひ最後までご覧ください。
フリーランスとして海外で働く方法
フリーランスとして海外で働く方法を、ステップに分けると以下の通りです。
ステップ1:「ビザなしで就労できる国」を選ぶか「就労可能なビザ」を取得する
まずは滞在国を選び、ビザが必要な場合は取得をします。
海外に滞在してその国のクライアントから仕事を得る場合、就労可能なビザが必要になります。
一方で海外に滞在し、日本のクライアントから仕事を得て、日本の銀行口座に報酬を得ている場合、仕事の内容などにもよりますが就労ビザが必要でないケースもあります。(例:ジョージア)
いずれにしても、ビザに関するルールは複雑で、変更になることもよくあります。
不法就労と見なされると、強制送還となったり、同国に何年も入国できなくなる恐れがあります。
よって、渡航予定の国の最新の情報を得ることが重要です。専門家に相談するのもよいでしょう。
ステップ2:日本や海外のクライアントから仕事を得る
次に、仕事を獲得するステップです。
近年は、フリーランス向けのウェブサイトで仕事を探すのが一般的です。
海外でメジャーなフリーランス向けサイトをいくつか紹介します。
海外クライアントに応募する場合、海外仕様の履歴書が必要になることもあります。
日本の履歴書と海外の履歴書には違いがあるので、本サイトにある「英語の履歴書6つの日本との違い」の記事を参考にして準備を進めてくださいね。
日本のクライアントから仕事を得たい場合も、フリーランス向けのサイトで仕事を探すことができます。
以下はメジャーなフリーランス向けサイトです。
ただし、これらのサイトは多くの場合仲介手数料がかかるため、報酬が満額もらえないのがデメリット。
その場合、日本の会社に就職し、海外からフルリモートで働かせてもらえないか交渉するという方法もあります。
ステップ3:現地または日本のルールに従い確定申告をする
フリーランスとして収入を得たら、確定申告(英語ではタックスリターン)が必要です。
確定申告とは、国に1年間に得た収支を報告し、納める税額を確定させる手続きのことを言います。
会社員として雇用されている場合は、会社が源泉徴収という形で行ってくれますが、フリーランスは個人事業主なので、自分で行うことになるのです。
この手続きは、滞在している国または日本(または両方)で行う必要があります。
海外転出届の提出の有無、仕事や報酬の種類などによってどちらの国で手続きを行うかが変わります。
日本で確定申告をする場合、現状はオンラインで海外から手続き(e-Tax)ができません。
その代わり、代理人(納税管理人)を立て手続きを代行してもらうことができます。
代理人の選定と登録は、国税庁のウェブサイト(以下リンク)を参考に、出国前に行いましょう。
海外の居住国で確定申告をする場合、正確に申告するためにも、手続きは専門家に依頼することをおすすめします。
(筆者も、現地在住の日本人の会計士の方にお願いしています。)
海外でも働きやすいフリーランスの職種
ここでは、海外でも働きやすいフリーランスの職種を紹介します。
IT・Webエンジニア
フリーランスで働きやすい職種と言えば、IT・Webエンジニア。
ソフトウェアやWebアプリケーションなどの開発を行う仕事で、日本ではもちろん、海外でも非常に需要の高い職種です。
通訳・翻訳家
高い語学力や専門知識を有する人は、通訳や翻訳家として働くこともできます。
また、その仕事の性質上、外国語だけでなく日本語能力も求められます。
近年は、英語だけでなく、中国語や韓国語など、多言語で通訳や翻訳ができる人の需要が高まっています。
Webデザイナー
Webデザイナーは、インターネットやSNSの普及で、IT・Webエンジニアと同じく需要の高い職種です。
Webサイトのデザインだけでなく、バナー広告のデザイン、インスタグラム投稿のデザインなど、スキルを横展開させることで、仕事を獲得できるチャンスが増やせます。
Webライター
初心者から始めやすいWebライター。ブログ記事、取材記事、電子書籍などWeb上に載せる文章を書く仕事です。
文章をわかりやすく書くスキルだけでなく、SEOの知識、マーケティングの知識なども求められることが多くなっています。
Webマーケター
Webマーケターは、WebサイトやWebサービス上でのマーケティング全般に関わる職種。
企業サイト、広告だけでなく、ソーシャルメディア上での活躍の幅も広がっています。
動画制作や編集
YouTubeやTikTokなど、動画制作や動画編集を専門とするフリーランスも増えています。
動画制作ソフトの扱いや、編集方法などを学べるスクールで学んでから独立する人、独学で学び独立する人など様々です。
フリーランスとして海外で働くために求められるスキルや必要なもの
フリーランスとして海外で働くためには、どのようなスキルが必要になるのでしょう。
また、何か用意すべきものはあるのでしょうか?
重要になるのは以下のものです。
- 実績・ポートフォリオ
- ビザ
- 資格や学位
- 英語力(語学力)
実績・ポートフォリオ
海外フリーランスに限らず、その職種での実績は、フリーランスとして仕事を獲得していく上で必須のものです。
Webエンジニアやデザイナーであれば、携わったプロジェクトをポートフォリオ(実績がわかる作品集)としてウェブサイト上に公開することも重要です。
未経験で実績がない場合は、ボランティアやインターンシップなどで実績を作ることも有効です。
ビザ
現地で就労可能なビザを取得しましょう。
近年は、増加するノマドワーカーに向け、ノマドビザを発給している国も増えています。
資格や学位
海外現地のクライアントから仕事を得る場合、すでに日本で実績があったとしても、その職種に関連する資格や学位が求められることがあります。
仕事の要件をよく読むようにしましょう。
英語力(語学力)
海外現地のクライアントから仕事を得る場合、必須となるのが英語力(語学力)です。
現地で働きつつ、語学学校に通ったり友人を増やすことで語学力を鍛えるのもよいアイディアでしょう。
フリーランスとして海外で働く際に注意したいこと
フリーランスとして海外で働く際に、注意したいことをいくつか解説します。
ビザに関して十分なリサーチをする
前述の通り、海外で働く場合は、原則として就労できるビザの取得が必須です。
どのビザで働いてよいのかは国により定めが異なるため、しっかりとリサーチをすることが重要です。
また、ビザに関する法律は変わることも多いので、インターネット上で見た情報が古い場合もあります。
政府や公的機関のウェブサイトで最新の情報を得るか、専門家に相談するようにしましょう。
時差を考慮して滞在国・都市・仕事を選ぶ
当然ですが、日本のクライアントと仕事をする場合は時差がありますよね。
頻繁にやり取りが必要な案件の場合、業務に支障が出るため仕事を発注してもらえないこともあります。
時差も考慮した上で滞在国・都市・仕事を選ぶようにしましょう。
現地のインターネット環境を調べておく
PCやスマートフォンを使って仕事をする場合、インターネット環境も注意したい要素の一つ。
と言うのも、国や地域によっては、インターネット接続が悪いこともあるからです。
フリーランス仲間から情報を集めたり、場合によってはポケットWi-Fiをレンタルするなどの対策が必要になります。
税金の扱いがどうなるかを調べておく
前述の通り、税金の扱いは国により異なります。
日本であっても、海外転出届けの有無、出国のタイミング(住民税)、報酬の種類などによって扱いが変わります。
しっかりと調べ、申告や支払い漏れがないように気をつけましょう。
まとめ:準備をしっかりしてフリーランスとして海外で活躍しよう
今回は、海外でフリーランスとして働く方法について解説しました。
まとめとして、フリーランスとして働くまでのステップを再掲します。
日本で既に職歴があったり、フリーランスとして活躍している人ならば海外でも働けるチャンスは十分あります!
英語の勉強や、取得すべきビザ・確定申告のルールの調査など、必要な準備をして、憧れの海外フリーランスデビューを果たしましょう。
現地で就職先を探すことも考えている人は、海外の就活セクションもチェックしてみてくださいね。