【カナダ留学】現地の治安はどんな感じ?注意することや主要都市の治安も解説!

留学で不安に思う要素の一つは「現地の治安」ですよね。

なぜなら、治安は毎日の生活に関わることで、危険に巻き込まれれば命の危機に瀕することもあるからです。

日本より安全な国はそうそうないと聞くし、実際海外生活にどんな危険が潜んでいて、どのくらい危ないかって想像がつかない人も多いのでは?

そこで今回は、元留学アドバイザーの筆者が、カナダ留学を考えている人に向けカナダの治安について解説します。

危険を防ぐコツだけでなく、もしも何か危険なことに巻き込まれたら、どう対応すると良いかも解説するので、記事を読んで少しでも危機管理の意識を高めてもらえれば幸いです!

筆者顔写真

筆者情報
  • 元留学アドバイザー
  • 4年でのべ1,000人近くを海外へ送り出した実績あり
  • 複数国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、アジア圏など)の留学プログラムを担当
  • カナダ・バンクーバー在住

カナダの治安:概要

カナダのマグカップ
Photo by Nathaniel Bowman on Unsplash

カナダは、世界的にみて治安が良い国と言われています。

実際、経済平和研究所が毎年発表している世界平和度指数(Global Peace Index)ランキング2022年版※では、カナダが12位にランクインしています。(日本は10位)

※「殺人事件の数」「小型武器、携帯兵器の入手しやすさ」など20以上の指標に基づいて数値の低い国から順にランクづけされています。

世界平和度指数マップ
引用:Vision of Humanity(色が紺色のエリアが一番平和、2番目が緑色)

ただし、犯罪発生率(人口10万人当たりの犯罪認知件数)をみてみると、日本の約8倍の数値なっており、日本と同じくらい安心して暮らせるとは言えないのも事実です。

「カナダは銃規制があるから安心」と思っている人もいますが、地域によってはギャングの抗争や強盗目的などで銃が使われている現実があり、十分に気をつけて生活する必要があります。

カナダ留学で起こりうる犯罪

まず、カナダで起こりうる主な犯罪について紹介します。

強盗
Photo by Nathaniel Bowman on Unsplash

窃盗

人混みの中で注意が必要なのは窃盗です。空港や市の中心部、飲食店など人が多く集まるエリアでスリやひったくり、置引きなどの被害があります。

犯行にかかる時間はほんの一瞬のため、常に所持品から目を離さないことが重要であり、所持品を放置したまま席を離れるようなことは絶対に避けた方が良いことです。

また、日本のパスポートを狙った窃盗グループもいます。パスポートは命の次に大切なものとして、保管や持ち歩きには細心の注意を払いましょう。

薬物関係

違法薬物に関連した犯罪は、カナダの社会問題の一つです。治安の悪いエリアだけでなく、繁華街などでも薬物中毒者に遭遇することがあります。

様子のおかしい人がいたら目を合わせず、素早くその場を離れましょう。

また、カナダでは大麻の使用が合法化されており、大麻が身近にある環境です。一般のお菓子に酷似したパッケージで大麻入りのお菓子が売られていることもあります。

海外で合法であったとしても、日本の大麻取締法によって罪に問われる可能性があります。外務省のホームページにも以下の記載があるので、使用にはくれぐれも注意してください。

日本の大麻取締法は、国外において大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、カナダ国内で合法な行為だったとしても、日本国内で罪に問われる場合があります。

大麻が合法化されている国でも、大麻には決して手を出さないようにしてください。なお、大麻取締法の詳細な解釈や適用については、日本の厚生労働省にお問い合わせください。

引用:カナダ安全対策基礎データ

強盗

路上や治安の悪いエリアでの強盗にも気をつけてください。

特に夜間は集団で歩いていても強盗に狙われる場合があります。帰りが遅くなってしまったら、タクシーを使うことも検討してください。

性犯罪

性別に関係なく、性犯罪の被害も報告されています。

フレンドリーな人が多いカナダですが、Noと言うのが苦手な日本人の国民性を知っており、あえてターゲットにしてくる人間もいます。

面識のない人に話しかけられても、安易に家に行ったり、車に乗ったりしないように注意しましょう。

詐欺

家探しや仕事探しの場面での詐欺の被害もあります。

家探しでは、ウェブサイトに架空の物件を載せ、応募してきた人から敷金などを騙し取る詐欺が横行しています。物件はオンラインで契約せず、必ず見学へ行き、実在することを確かめてから支払いを行ってください。

また、違法な労働契約を結ばせ、最低賃金以下で留学生を酷使する飲食店などもあります。

契約書の内容や、滞在する州の最低賃金をよく調べて、騙されないように注意してください。

カナダ留学で注意すること

次に、カナダ留学で危険を避けるため、注意することを紹介しましょう。

「留学前に準備できること」と「留学中に注意すること」に分けて解説します。

チェックリスト

カナダ留学に行く前に準備できること

まずは、カナダ留学に行く前に準備できることの一例です。次のような準備をすることを推奨します。

留学前に準備できること
  • 現地に関する情報収集(治安の概要、危険エリアの把握)
  • 防犯グッズを買う(防犯ブザーやスキミング防止の財布など)
  • 住む場所をあらかじめ決めておく(留学初心者にはホームステイがおすすめ)
  • 警察、消防、救急、現地大使館などの電話番号をメモしておく
  • 補償がしっかりした保険へ加入する

これらのうち、現地に関する情報収集保険へ加入することは特に大切なので覚えておきましょう。

まず、現地に関する情報収集ですが、危険エリアを覚えてください。危険エリアとは、治安が特に悪く現地も立ち入ることを控えるようエリアのことです。

そういった場所が留学先にあれば、地名や地図を頭に入れておきます。

次に、補償がしっかりした保険に入ることも身を守るために重要なポイント。知らない人もいると思いますが、海外では入院や手術をした場合、高額な請求になることが多いのです。

救急車
Alina KuptsovaによるPixabayからの画像

カナダで交通事故に遭い入院をして、総額で約600万円かかったと言う事例もあります。

また、保険ならなんでも良いというわけでもありません。例えば、クレジットカード付帯の保険ではカバーされる金額が少ない可能性が高いのです。

加入する保険はエージェントや保険会社に相談の上、しっかり検討しましょう。

カナダ留学中に注意すること

今度はカナダ留学中に注意することを解説します。具体的には以下のことに注意すると良いでしょう。

カナダ留学中に注意すること
  • 在留届を出す(対象は3ヶ月以上の滞在者のみ)
  • 昼間に居住地周辺の安全を確認しておく(人通りの少ない道、街灯のある場所など)
  • 人通りの少ない道は歩かない(特に夜間や一人の時)
  • 鞄などで席を取らない。席を離れるときは近くの人に荷物を見てもらう
  • 初対面の人と会う時は日中・短時間で

上で挙げた在留届は、提出することが法律で義務付けられているので気をつけてください。現地に3ヶ月以上滞在する場合が対象で、日本の外務省のウェブサイトを通してオンライン提出します。

オンライン在留届
引用:外務省 オンライン在留届

提出すると、現地大使館・総領事館に個人情報が登録され、テロや大きな事件が発生した際に、救護を受けることができます。

なお、3ヶ月以内の短期の場合、「たびレジ」への登録をおすすめします。

たびレジ
引用:たびレジ

これも外務省が運営するサービスで、登録は義務付けられていません。

ただ、居住エリアの安全に関する情報がメールで届き、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられるので心強いですよ。

カナダ留学でトラブルに巻き込まれたら

次に、万が一カナダ留学でトラブルに巻き込まれたらどうするかを考えていきましょう。何ができるか具体的にイメージしながら読んでみてくださいね。

警察などへの緊急連絡

基本となるのは、警察などへ緊急連絡を入れることです。カナダの場合は「911」にかければOKです。

電話をかける人
Photo by Taylor Grote on Unsplash

この番号は警察・消防・救急に共通しているので、オペレーターに繋がったら、何を呼ぶためにかけたのか告げましょう。

それから、できるだけ冷静に、以下について話します。

  • 何が起こったか
  • どこで起こったか
  • 自分の氏名、住所、電話番号

英語で言いたいことがまとまらない場合は「Japanese, please」と伝えれば、日本語対応ができるオペレーターに代わってもらうこともできます。

それから、最寄りの大使館・領事館に事情を話し、対応についてアドバイスをもらうこともできます。

カナダの大使館・領事館の場所や連絡先は以下の通りです。

大使館・領事館名住所電話番号
在カナダ日本国大使館255 Sussex Drive, Ottawa, Ontario K1N 9E6, Canada (1-613) 241-8541
在カルガリー日本国総領事館Suite 950, 517-10th Avenue SW Calgary, Alberta T2R 0A8(1-403) 294-0782
在トロント日本国総領事館Suite 3300, 77 King St. W., Toronto, Ontario, M5K 1A1, Canada(1-416) 363-7038
在バンクーバー日本国総領事館900-1177 West Hastings Street, Vancouver, B.C., V6E 2K9, Canada (1-604) 684-5868
在モントリオール日本国総領事館1, Place Ville Marie, Bureau 3333 Montreal (Quebec) CANADA H3B 3N2(1-514) 866-3429
参考:在外公館リスト(在カナダ日本国大使館・総領事館)

ひったくりや強盗に襲われた時:抵抗してはいけない

ひったくりや強盗に襲われたら当然パニックになります。ただ、一つだけ覚えていてほしいのが、「抵抗してはいけない」ということです。追いかけて物を取り返そうとするのもダメです。

犯人が銃などの凶器を所持していれば、殺される可能性もあり、実際に命を落とした日本人もいるからです。

また、パスポートの盗難・紛失の際は、以下の手順でパスポートを新たに発行してもらえます。

  1. 最寄りの警察署に届け出て、ポリスレポート(被害届の受理証)をもらう
  2. 最寄りの大使館または領事館を訪れ、ポリスレポートと共に必要書類を提出する

その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。

  • 保険会社(受けた被害を伝え、保険適用になるか聞く)
  • カード会社(カードが盗まれた場合にすぐ止めてもらう)
  • 所属する学校
  • ホームステイ先など

カナダ主要都市の治安

ここでは、カナダで留学先としても人気が高い、主要都市の治安を解説します。治安が悪いエリアについても紹介するので、覚えておきましょう。

トロントの治安

トロントの治安は以下の記事に詳しくまとめています。

バンクーバーの治安

バンクーバーの治安は以下の記事に詳しくまとめています。

ビクトリアの治安

ビクトリアの治安は以下の記事に詳しくまとめています。

治安に関する参考サイト

カナダの治安を調べるために、参考してほしいウェブサイトを紹介します。

リンクを載せるので、リサーチする時に使ってくださいね!

上記のサイトは公的機関が管理しているものですが、もっと率直な、住んでる人の声を聞きたいという人も多いのでは?

そんな人におすすめなのがTwitterやInstagramで留学生や在住者をフォローすることです。いつでも治安のことを投稿するわけではないですが、比較的リアルタイムな情報が手に入ります。

またもっと整理された情報がほしいなら、ブログを探すのも良いですね。(ただし情報は古かったり不正確な可能性もあるので、公的機関の情報元とあわせて参考にするのがおすすめです)

まとめ

今回は、カナダ留学を検討中の人に、治安の概要や気をつけるべきこと、主要都市の治安などを解説しました。

海外でのリスクを減らすには、治安について基礎から学び必要な準備をすることが最重要です。この記事を読んだあなたは、すでに治安の基礎を学べているので過度に心配しすぎることはありません。

ある程度準備を固めたら、あとは楽しんで留学生活を送ってくださいね。

カナダ留学についてもっと情報を集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。

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