現地の治安が良いかどうかは、留学先を決めるための最も大切な要素の一つ。
これまで海外旅行や留学をしたことがない人にとっては、海外と日本の治安がどのくらい違うのかって想像しづらいですよね?
そこで今回は、元留学アドバイザーの筆者が、イギリス・ロンドン留学を考えている人に向けロンドンの治安について解説します。
危険を避けるコツだけでなく、もしもトラブルに遭遇したらどう対応したら良いかも解説するので、ロンドンで安全に過ごしたい人はぜひ最後まで読んでくださいね!
ロンドンの治安:概要
ロンドンはイギリスの首都であり、世界的な経済&観光都市。
ロンドンを含むイギリスの治安は比較的良好であると言われていますが、ロンドンのあるイングランドおよびウェールズの2020年の犯罪総数は日本の約9.1倍です。
そのため、日本にいる時と同じ感覚で過ごしていると、犯罪者のターゲットにされる可能性もあり、防犯意識を高く持って過ごす必要があります。
ロンドン留学で起こりうる犯罪
まず、ロンドンで起こりうる主な犯罪について紹介します。犯罪の概要を知っておくだけでも、防犯意識が高まりますよ。
窃盗
窃盗は、ロンドンの主要な犯罪の一つです。
例えば、人混みの中で財布やパスポートをリュックに入れて持ち歩いたり、ズボンのポケットなどに入れているとスリやひったくりに狙われやすいです。
飲食店などで話に夢中になっている間に置引きされることも珍しくありません。
観光スポットや市の中心部、公共交通機関などでは、
- 貴重品を内ポケットに入れる
- リュックを前に抱える
- 荷物から目を離さない
など警戒しましょう。
薬物
空港などで知らない人から荷物を日本に届けるように頼まれて、知らないうちに違法薬物の運び屋にされてしまう事案が発生しています。
例え知人であったとしても、中身のわからない荷物を預かるのはNGです。
たとえ薬物と知らずに所持していただけでも罪に問われる可能性があるからです。
強盗
路上での強盗。人通りの多いところで目星をつけられ、人気のない路地などに入った時に襲われるケースがあります。
高価そうな服装をしていたり、観光マップを注視していたりするとターゲットにされやすいです。
特に繁華街などでは、周囲の状況をよく見て、路地裏などには入らないようにしましょう。
詐欺
ロンドンでは偽警察官による詐欺被害もあります。外務省の海外安全ホームページには以下の通り手口の概要も載っています。
旅行者を装った人物(偽警官の仲間)が、写真撮影を依頼してきたり、道を尋ねてきたりし、その対応をしている時に、私服警官を名乗る人物が麻薬捜査をしていると言って現れる。旅行者を装った人物が、偽警官の求めに応じて財布やクレジットカードの提示、暗証番号の開示をするので、被害者も同様に従った結果、財布から現金を抜き取られたり、クレジットカードの情報を盗まれたりして、後刻クレジットカードを不正利用されたりするもの。
引用:外務省 海外安全ホームページ
警察はクレジットカードや暗証番号の開示を求めたりしません。
少しでも不審に思うことがあれば、警察手帳を見せてもらい中身もしっかり確認するか、周りの人に助けを求めましょう。(ただし周りの人もグルの可能性はある)
性犯罪
- 深夜の路上
- 初対面の人間との会食
- シェアハウスの内見時
などに性犯罪の被害が報告されています。
- 帰りが遅くなる場合タクシーを使う
- 初対面の人から食べ物などをもらっても口にしない
- 内見は誰かに同行してもらう
などの対策をとりましょう。
ロンドン留学で注意すること
ロンドンで平和に留学生活を送るために注意したら良いことは、どのようなことでしょう?
ここでは、留学前に準備できることや留学中に注意することを紹介します。
ロンドン留学に行く前に準備できること
ロンドン留学に行く前に準備できることの一例を挙げます。例えば次のような準備ができるでしょう。
これらの中で特に大切なのは、現地に関する情報収集と保険への加入。
はじめに現地の情報収集ですが、危険エリアを知っておくことがキーポイントです。日本人には馴染みがないことですが、海外には現地の人でもあまり行きたがらない危険エリアが存在します。
そういった場所があったら地名や地図を控えておきましょう。(ロンドンにおける治安の悪いエリアについては、後ほど解説します)
それから保険への加入も重要です。トラブルに巻き込まれ病院に行くことになったら、かなりの高額を請求される可能性があるからです。
特に入院や手術となると何百万、何千万と請求されることもあります。※参考:イギリス(ロンドン)の医療費
また、盗難被害で貴重品を失った場合も、保険でカバーされる可能性があります。
これらの理由から、保険加入は馬鹿にできないのです。
ロンドン留学中に注意すること
今度はロンドン留学中に注意した方が良いことを説明します。例えば以下のことに注意すると良いですよ。
在留届についてもう少し説明します。これは提出が日本の旅券法で義務付けられているものです。現地に3ヶ月以上滞在する場合に提出が必要なもので、日本の外務省のウェブサイトから提出できます。
提出したら現地大使館・総領事館の名簿に登録され、テロや大きな事件が発生した際に、必要な救護を受けられます。
もしも3ヶ月以内の短期で滞在する場合は、外務省が運営する海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録すると良いですよ。
たびレジの登録は義務付けられていませんが、現地の安全に関わる情報がメールで届くほか、緊急事態発生時には被害状況に応じて、長期滞在者と同じく必要な支援を受けられます。
ロンドン留学でトラブルに巻き込まれたら
いくらこういった記事を読んで対策をしても、トラブルに巻き込まれてしまう人はいます。
その場合はどのような行動を取るべきでしょうか?
警察などへの緊急連絡
警察などへの緊急連絡は、真っ先に思いつくことかと思います。この番号を覚えておけば、緊急事態に巻き込まれた時に初動が早くなるでしょう。ロンドンの場合番号は「999」です。
これは警察・消防・救急共通の電話番号です。最初にオペレーターに繋がるので、何を呼びたいのか告げましょう。
その後、できるだけ落ち着いて、以下のことを説明します。
- 何が起こったか
- どこで起こったか
- 自分の氏名、住所、電話番号
英語で話すのが難しい場合は「Japanese, please」と伝えれば、日本語対応が可能なオペレーターに交代してもらうこともできます。
ひったくりや強盗に遭遇したら抵抗はしない
また、その他の重要なポイントは、「ひったくりや強盗に遭遇したら抵抗はしない」です。
下手に抵抗すると、殺されてしまう可能性もあるからです。
犯人がいなくなった後に、安全な場所まで移動して通報をしましょう。
また、パスポートが盗まれた場合や紛失した場合は、以下の手順でパスポートの新規発行を行います。
その他、状況に応じて以下にもコンタクトを取ります。
- 保険会社(盗難被害や怪我などで保険が適用になるか確認)
- カード会社(カードが盗まれた場合にすぐ止めてもらう)
- 所属する学校
- ホームステイ先
ロンドンで治安の悪いエリア
ここでは、ロンドンで治安が悪いと言われているエリアを紹介します。
ここで紹介するエリアは日本人が住んでいるところもあり、立ち入ること自体は問題ありません。ただ、特に夜間に訪れる時は警戒心を忘れずに過ごしてください。
ブリクストン(Brixton)
ブリクストンはロンドン中心部から南にある移民が多く住んでいるエリア。
低所得者層が住んでおり、以前はロンドンで最も危険なエリアとして有名でした。
観光客も訪れますし、治安は徐々に良くなっていると言われていますが、犯罪率は高いのでここを訪れる際は十分に注意しましょう。
エレファント&キャッスル(Elephant&Castle)
エレファント&キャッスルはテムズ川の南岸にあるエリア。
人気のクラブがあり、訪れる機会があるかもしれませんが、麻薬の密売が行われているエリアのため細心の注意を払って過ごしてください。
ハックニー(Hackney)
ハックニーはロンドンの東側にあるエリア。
以前は犯罪が多発していたものの改善しつつあり、最近ではおしゃれなエリアとしても有名です。
ハックニーにもバーやナイトクラブが多いので、アルコールや薬物がらみのトラブルに巻き込まれないようにご注意を。
ウェストミンスター(Westminster)
ロンドンの中心部にあるウェストミンスター地区は、政府機関が軒を連ね、観光の拠点でもあるため、常に多くの人が行き来しています。
そのため、様々な犯罪が起こりやすく、ロンドンで最も危険な地域にも選ばれています。特に窃盗(スリやひったくりなど)に注意してください。
治安に関する参考サイト
ロンドンの治安について、この記事以外に参考にしてほしいウェブサイトを紹介します。
ブックマークして、情報収集に活用してください!
上記のウェブサイトは公的機関が運営するものなので信頼性が高いです。
治安について「実際にロンドンに住んでいる人の意見が聞きたい」という人は、現地在住者のSNSやブログを読んだり、質問してみるのもおすすめです。
まとめ
今回は、ロンドン留学を考えている人向けに、現地の治安や気をつけるべきこと、危険なエリアなどを解説しました。
留学前からしっかりと情報を集めて気をつけておけば、危険を減らすことができます。心配しすぎず楽しい留学生活を送ってくださいね!
ロンドン留学について違う情報も集めたい人は、現地の気候や服装・持ち物に関するアドバイスの記事もチェックしてみてください。